


ここ数年で盛り上がってきている「古着業界」。最近「古着」が好きになった、また「古着」は買ったことないけど興味があるそんな方も多いのでは? 今回は古着歴12年のEC倉庫部部長「三井政樹」に古着の良さについてインタビュー。これを機に古着の魅力について触れてみては。
interview
member

三井政樹
現在はEC倉庫部部長として主にオンラインショップの商品管理を担当。古着歴12年。古着にはまったのは24歳の時。アメリカ古着が好きになり、本場を知るためにアメリカに行った経験有り。好きな古着はミリタリー全般。趣味はバスケ観戦・家具屋周り・カレー作り。

生野
オンラインショップ全般のディレクション業務を担当。 ヴィンテージのレディース古着が好きで刺繍やビースなど繊細なデザインに目がない。

原井
オンラインショップの特集ページ制作を担当。 「釣り」と「古着」が好きで、最近は「バス釣り」関連の古着を収集中。
三井さんおすすめ
王道アイテム
古着の魅力、その1
#01 高揚感が一番の魅力

高揚感が一番の
魅力だと思ってます。

古着の業界にいれば、誰しもが聞かれる質問だと思うんですが
今回改めて、三井さんが思う「古着の良さ」についてアレコレ聞いて行こうかなと思います!

宜しくお願いします!

今回このテーマを頂いて、改めて色々考えたんですけど、
僕の中で古着の魅力は2軸あるなと思っていて、なんで今日はその2軸で話させてもらいます!

当時買った私物も色々持参して頂いてるんで、思い出に浸りながらお話しして貰えばと思います!
では、三井さんが思う古着の良さとはなんですか?

『古着は一点物だから』『人と被らないから』という理由を聞くことが多いんですけど、僕はそうではない視点があって。Hard Rock Cafeが流行った時代が分かりやすいんですけど。『ぱっと見、一緒ですやん!』っていうのが実は古着にもあって。

だから僕が思う古着の良さである“一点物”の捉え方は、ダメージやフェード感などのコンディションが全て一点一点違う点。そしてそれを着た時の自分の身体にピッタリ合った時の『これ、これ!この感じ!見た目もサイズ感もこんなん探しててん!』っていう自分のためにあるんじゃないかと思わせてくれる、そんな一点物に出会えた時のあの高揚感が古着の1番の魅力だと思ってます!
#02 魅力に気づいたきっかけは、あのペインターパンツ・・・。

その魅力に気づいた出来事とかあったりするんですか?

古着に興味を持ち始めてからヴィンテージのデニム(Levi's 66前期)を初めて買って、そこから少しずつ古着の奥深さとかヴィンテージのかっこよさとか価値について掘り下げて行き出した23歳当時、Leeがカッコイイていうことに気づいたんですよね。
デニムの三大ブランドは、Levi's、Lee、Wranglerの順に市場で数が多いんですけど、その中でも自分の中でLeeが『特別かっこいい!』と思って、ペインターパンツを探していた時期があって。

探し求めて、遂にピタッとハマったペインターパンツがこれ。


Leeの88っていうモデルのBOSS OF THE ROAD。
1852年に創業されたブランドで、1948年にLeeがBOSS OF THE ROADを買収して、その後にLeeの中でBOSS OF THE ROADというラインが出だしたんですけど、
これはその中の一本で、恐らく1960年代ぐらいのBOSS OF THE ROADのペインターパンツ。
買った当初はもっと濃くて、もっといい感じやったんですけど結構色落ちしちゃって(笑)

これはどこを見たら、60年代のものっていうのが分かるんですか?

ここについてるLeeの®(レジスター)RとM.R.って大体70年代以降って言われているんですけど、この縦落ちの感じとか、綿糸を使っているところとか考えると、60年代の後半くらいかなっていうので予測したかな。
70年代前半の可能性も全然あるけど。

あと、このサスペンダーボタンがついているのは基本的に1930年代くらいまで。
当時デニムパンツの股上が深かったこともあり、サスぺンダーで吊るのが基本スタイル。それが時代と共にサスぺンダーボタンとベルトループが併用されるようになり、サスペンダーボタンも必要がなくなるからどんどんなくなっていった。でもこの88はBOSS OF THE ROADのラインやからあの当時の流れをもう1回組んでサスペンダーボタンをつけただろうと勝手に思ってます(笑)
やっぱり日本人は背が低いし、自分も背が低い方なので、自分にあったレングスに出会えるのが難しくって。でもこれ見てもらったら分かるんやけど、



本当にジャストサイズ。
それプラス、自分はコンディションがボロ過ぎない方がかっこよくて好きで、色残りもあったりで自分の好みくらいのコンディションだったから、
『これはもう2度と会うことはないだろう!』と高揚感が高まった。当時の自分からしたら高額の2万円をちょっと頑張って買ったっていうのが思い出であり、その時の高揚感が今でも忘れられないかな。

#03 価値よりも上回る「完全な一点物」

当時、このデニムに合わせて着ていたのが80年代のマリリンモンローの顔Tシャツ。


エアブラシでプリントされているんですけど、ブランドがやったとはちょっと思えない感じで。
80年代のこのボディー(SCREEN STARS)で買った値段からすると多分ですけど、当時の持ち主がやったであろう一着。
冒頭で話したようにHard Rock CafeのTシャツだと企業が出しているので何百万枚も存在すると思うんですけど、このTシャツは一般人が作っていることもあって完全に一点物。
このTシャツ自体は別に価値があるTシャツではないんですけど、当時23歳の時の自分からしたら探していたインパクトあるデザインで、サイズもピッタリでイメージ通りのかっこよさのTシャツに出会えたという今でも当時のこと覚えているほど思い出の品。

今でも着たりするんですか?

見てみたいです!(笑)

さすがに着れんな〜(笑)お腹出てしまうと思うわ(笑)


(笑)

まぁ〜かといってHard Rock CafeTシャツが悪いとかではなくて、例えばNew Yorkの黒のディテール(ロゴ)のフェード感あるやつが欲しいって人にとって、そのアイテムに出会った時に高揚感があると思うから、本当に人それぞれに感じるポイントがあると思う。

ここまでお話を聞いて、一点物の捉え方に奥深さがあるんだなと改めて思いました。
自分が探していたイメージ、サイズ、デザイン、ディテールだったり全てがピタッと当てはまったアイテムに巡り会えるかどうかという“ワクワク感”と見つかった時の“高揚感”が古着の魅力ってことですよね。
古着の魅力、その2
#01 分かる人には分かる「収集癖」

収集癖は古着好きの
あるあるだと思います。

続いて、2軸目についてですね。

2軸目に関しては、結構古着好きあるあるやと思うんですけど。
男性でありがちな気質の「収集癖」。同じものを見つけると衝動的に買ってしまうっていう、、、。

確かに僕も今だと、「バス釣り」のTシャツ収集してますね(笑)

#02 コレクションしたNBAのTシャツたち

うわ、、凄い、、。

しかも、ボディーの色が違うっていうのでも買っちゃうんですよね、、(笑)
みんなからしたら『何が違うねん』って感じやと思うんですけど、見つけるたびにやっぱ買っちゃう、、、。
でもだいぶコンプリートしたから最近はジョーダンのプリントは買ってないんですけどね。『あ〜それ持っているわ』って感じで(笑)

幸いにこのジョーダンに関しては全部ちゃんと着れるってのがさらにポイントで。見つけただけでも嬉しいのに着れるサイズ感に出会うっていう、冒頭で話したように「高揚感」が高まるんですよね(笑)

今日ここまで色々聞いたのもあって、その当時の“高揚感”ってのが凄く伝わってきますね(笑)

やっぱ、お店に行って一点あったらいいレベルやからな〜。
でもここまで熱く語っておいてアレやけど、このTシャツのシリーズ全然評価されてなくて(笑)
何千円で買えるレベルなんやけど今の時代、何が高騰するか分からへんってのもあるから、『高騰しんといてくれ、、』って願ってる。まだまだ買いたいんで(笑)

今でも集めているってことなんですけど、始まりは何歳からだったんですか?

恐らく、26歳の頃やったと思うんですけど。初めて買い付けに行かせてもらって、その買い付け先で『こういうのあるんや』というのが出会いの始まり。
そこから、たま〜にこのシリーズを見かけるようになり、あれば買うという収集癖が始まったかな。


へぇ〜、、!あの若かりし頃の三井さん!
#03 収集したからこそ発見できる面白さ

集めた後の面白さとして、タグをみたりイラストの感じで時代の変遷が分かるということ。
このTシャツはSCREEN STARS(スクリーンスターズ)というボディなんですけど、こっからはSALEM(セーラム)のボディに切り替わっていて、多分時代の変遷があったんだろうなって。(笑)


ただ、靴のデザインはその時代の物が描かれているわけではないので完全には時代の判別ができないんですよね。

あ〜本当だ!そこは契約とか色々な問題があったりするんですかね(笑)
この描かれているポージングとかシーンは当時の試合の様子だったりするんですか?

ではないんですよね(笑)
だから、自分でデザインやディテール、タグなどを見て判別して楽しんでる。あとは、若い頃のジョーダンは髪の毛がちゃんと生えてるとか(笑)

あ〜〜なるほど(笑)

ちょっとずつスキンヘッドになっているとかね(笑)

面白い、、、収集しているからこそですよね、こういう発見ができるのは。

そうそうそう!
こっちのTシャツは完全にマルチプリントで色々な時代のジョーダンなんですけど。これは完全にスキンヘッドやから90年代後半の一番新しいジョーダン(笑)


Tシャツの素材やサイズ感だけをとっても時代背景や流れが分かるってのもあって、

やっぱり古着って面白いし、そういうのが好きでついつい集めちゃうっていう、“収集癖”。
それが古着の面白さであり魅力だなと思う。

それこそ、古着を好きになり始めた方とか気になるな〜って人にはどんなのがおすすめだったりするんですか?


あとは、自分の好きな何かがあれば楽しめるかもですね!
自分も元々バス釣りが好きで、そのあとに古着に興味持ち始めたんで好きなものがかけ合わさったって感じですね。

そうそう!それが一番やな。

ちなみに、最近も買いました(笑)
タバコのキャメルのなんですけど、ラクダが釣りしてて、

その“釣りしている”ところに惹かれたってことやんな?

それなかったら買ってないですよね?

買ってないですね(笑)

自分の好きなものだと、見つけたときの高揚感だったり、面白さとかがありますね。
あと、人によって物の価値が変わるのが面白いです(笑)

あと!今だったらアニメTシャツも面白いかもしれませんね。
当時見てたやつとか。

今、ファッションとしても人気ですしね!

確かに、絶賛集めている人いるんちゃうかな。キャラクターとかもね。
あとは、ブランドとかで集めてる人もいると思う。その代表格がコレクターの方も多いStussy、Ralph Lauren、adidasとかかな。


あ〜〜、確かに!!

そう思うと、みんなの収集癖を特集したら面白いかもですね(笑)

面白いと思う。JAMスタッフで収集癖ある人結構おるからな〜。

みなさん、楽しみにしていてください!(笑)

今回2軸で古着の良さを話しましたけど、実際、僕の時代は今みたいにオンラインショップは全くなかったので、こうしてJAMに出会ってからオンラインショップで買うようになった。
だからそのタイミングで気づいたのが、“高揚感のタイミングの違い”。
見つけた瞬間や買った瞬間では高揚感はなくて、僕の場合は手元に届いてから実際に見て、着て、そこで高揚感が高まるかな。それがまたワクワク期間も長くて待ち遠しい、この感覚になるのも面白いですね。

だから、店舗では古着を買ったことがあるけどオンラインショップではまだな人もオンラインショップならではの良さもあるので、是非挑戦してみて欲しいなと思いますね!