バンドTシャツは、デザイン性や希少性の高さから、ヴィンテ―ジアイテムや古着市場でも価格が高騰しています。
今回は、そんなバンドTシャツの歴史から価値のあるバンドTシャツの見分け方、希少なヴィンテージアイテムまで、徹底的に紐解いていきます。
ぜひ、最後までご覧ください。
バンドTシャツとは
バンドTシャツは、音楽やバンドを題材に製造されたTシャツのことを指します。
諸説ありますが、1960年代にライブ会場などで販売されたのが始まりと言われています。
その歴史は、音楽史の公式記録としての価値が認められており、なんと1着100万円を超えるような希少なバンドTシャツも存在します。
最初はファンのために作られた記念品でしたが、今では、最新のトレンドに幾度となく登場しており、ファッションアイテムとしての市民権をしっかりと獲得しています。
価値あるバンドTシャツを見つけるコツ
バンドTシャツの価値を見る時のポイントは、これまで、ボディブランドや素材、プリントでしたが、ここ数年でその価値が高くなるポイントに変化が見られています。
今回は、雑誌『Begin』でヴィンテージについての解説経験を持つ、古着屋JAMの値付け担当に聞いた、価値あるバンドTシャツを見分けるコツをご紹介していきます。
【1】音楽ジャンル”メタル系”&”グランジ系”がアツい!
バンドTシャツの中でも、メタル系とグランジ系と呼ばれる音楽ジャンルはここ数年、古着市場で高額で取引されています。
特に90年代前後のヴィンテージバンドTシャツは高騰の一途をたどっています。
そのため、プリントされているバンドの音楽ジャンルを知っておくだけで、ある程度価値があるかどうかを知ることができます。
メタル、グランジの代表的なバンドを一部ご紹介していますので、ぜひ、参考にしてみて下さい。
メタルバンド代表格
【METALLICA(メタリカ)】
メタル系と呼ばれているジャンルは、1960年代の終わりから1970年代の初頭にかけてイギリスなどで広く発展したロックのスタイルのひとつです。中でも、1981年結成のメタリカはアメリカ・ロサンゼルス出身のヘヴィメタルバンドで、1990年代に全米アルバム総売上4位を記録するなど商業的な成功を得ています。
その他、古着のバンドTシャツでは、SLAYER(スレイヤー)Pantera(パンテラ)などが人気です。
グランジバンド代表格
【NIRVANA(ニルヴァーナ)】
Grunge(グランジ) とは、「汚れた」「薄汚い」という意味の形容詞”grungy”が名詞化した”grunge”が語源と言われています。
1989年頃からアメリカ・シアトルを中心に人気を集めた、オルタナティヴ・ロックの一つです。
それまでは、ヘヴィメタルが多かったアメリカのロックシーンを革新し、ダメージジーンズにネルシャツといったスタイルでファッションにも影響を及ぼし、一大ムーブメントを起こしました。
中でも、1987年にアメリカで結成されたバンド、ニルヴァーナはフロントマンであるKURT COBAIN(カートコバーン)が非常に有名ですが、1991年リリースの代表曲『Smells Like Teen Spirit』の発売から3年後に27歳という若さで急逝しています。
近年、追悼の意を込めたバンドTシャツが注目を浴び、当時のヴィンテージバンドTシャツは価格が高騰し続けています。
その他、同ジャンルのバンドTシャツでは、PIXIES(ピクシーズ)、PEARL JAM(パールジャム)などが人気です。
パンクバンド代表格
【Green Day(グリーンデイ)】
パンクとは、70年代に誕生した音楽ジャンルの一つで、当時は反体制的なメッセージを歌うバンドが多く、中でもSex Pistols(セックスピストルズ)とRamones(ラモーンズ)が台頭しました。
パンク系ジャンルは、バンドTシャツの中でも安定的な人気があり、近年では、グリーンデイ、The Offspring(オフスプリング)などバンドTシャツの中では、注目度の低かったバンドの価格高騰が始まっています。
特にグリーンデイは、パンクバンドとしては史上初のグラミー賞の最高賞である『最優秀レコード賞』獲得やロックの殿堂入りも果たしています。
さらに、バンドのファンでもあるBillie Eilish(ビリーアイリッシュ)もグリーンデイのバンドTシャツを着用しており、今後も高騰必死のバンドです。
その他、90年代のバンドTシャツ中でも、グランジ近辺の派生であるニューウェーブ系やポップパンクバンド“Bad Religion(バッドレリジョン)”、“Rancid(ランシド)”などが人気です。
【2】”2000年代”を要チェック!
90年代までに製造されたいわゆる、ヴィンテージバンドTシャツは海外でも高値で取引されており、入荷数が年々減っています。
今後はネクストヴィンテージと呼ばれる2000年代のバンドTシャツに注目が集まり、90年代のアイテムと同じく手に入れるのが難しくなることが予想されます。
中でも、THE ROLLING STONES(ローリングストーンズ) 2005年のツアーTシャツは、すでに価格が高騰し始めているバンドTシャツの一つです。
【3】”シルエット”にも価値が見出され始めている
これまで、古着やヴィンテージのバンドTシャツといえば、”ラグランスリーブ”のものが高価とされていましたが、90年代の人気が再燃し、数年前より広めの身幅で寸胴になったボックスシルエットの相場が高騰しています。
おすすめのヴィンテージバンドTシャツをご紹介
古着屋JAMで取り扱いのあるヴィンテージバンドTシャツの中でも、至極の3選をご紹介します。
グランジロックの代名詞
【NIRVANA(ニルヴァーナ)】
90年代製のニルヴァーナのバンドTシャツで、1994年にカートコバーンが他界していることから、それ以降に作られた非公式アイテムということが分かります。
豪華な両面プリントでフロントはお馴染みのニルヴァーナのセカンドアルバム”NEVERMIND(ネバ―マインド)”で、バックプリントにはカートコバーンの追悼を意味するお墓がプリントされています。
メッセージ性とデザイン性を兼ね備えたヴィンテージバンドTシャツです。
レゲエの神様
【BOB MARLEY(ボブマーリー)】
90年代製のヘインズのボブマーリーのバンドTシャツです。
インパクトのあるプリントが特徴の“MOSQUITOHEAD(モスキートヘッド)”は、アメリカのシルクスクリーンのプリントブランドとして広く知られ、コレクターズアイテムとしても人気の1着です。
派手なプリントが多いモスキートヘッドの中で、落ち着いた配色のデザインは大変希少です。
世界五大プログレッシブ・ロック(プログレ)バンドの一角
【PINK FLOYD(ピンクフロイド)】
80年代製のピンクフロイドのヴィンテージバンドTシャツです。
WINTERLAND(ウィンターランド)は世界初のミュージックTシャツメーカーとして知られており、両面プリントは大変珍しく希少な1着です。
また、プリントに使用されているアニメーションは漫画家でイラストレーターのジェラルド・スカーフが手掛けたことで有名です。
バンドTシャツといえば80年代
グラムロックの先駆者
【David Bowie(デヴィッドボウイ)】
デヴィッドボウイは、ビジュアル系の元祖ともいわれるグラムロックを代表するアーティストです。
1987年に行われたTHE GLASS SPIDER TOUR(グラススパイダーツアー)は、80年代の集大成とされる最大規模のワールドツアーです。
当時は、演出評価が低かったですが、2010年には史上最高のコンサートデザインの1つに選出されています。
同ツアーがプリントされたバンドTシャツは、今では入手困難な希少な1着です。
70年代のジャマイカ音楽界を席巻
【Gregory Isaacs(グレゴリーアイザックス)】
グレゴリーアイザックスは、クールルーラーの愛称で広く知られ、70年代後半には、あのボブ・マーリーに次ぐ人気を博していました。
ホワイトやブラックのボディが多いバンドTシャツの中で、彼を象徴するようなラスタカラーのボディは、インパクトある1枚となっております。
NWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)代表格
【IRON MAIDEN(アイアンメイデン)】
NWOBHMは、1970年代後半のイギリスで勃発した音楽ムーブメントとのことです。
中でも、アイアンメイデンは、世界で最も有名なヘヴィメタルバンドと言われています。
同アイテムは、1985年に発表した、初のライブアルバムLIVE AFTER DEATH(死霊復活)がプリントされたバンドTシャツです。
80年代当時のアイテムは、現在においても復刻されるほどの人気となっております。
バンドTシャツ注目の90年代
90年代のオルタナティブロックを牽引したモンスターバンド
【RED HOT CHILIPEPPERS(レッドホットチリペッパーズ)】
90年代のオルタナティブロックを牽引し日本でも絶大な人気を誇るモンスターバンド、レッドホットチリペッパーズのバンドTシャツです。
ボーカルのアンソニーに彫られているタトゥーのデザイナーであるハンキーパンキーデザインのマルチプリントTシャツです。
近年、レッチリのバンドTシャツは高騰し続け、さらにこのマルチパターンは激レアです。
今後も高騰が予想され、XLの好サイズはまず入荷は無いと予想されます。
オルタナティブロックのパイオニア
【Pixies(ピクシーズ)】
1980年代の初期オルタナティヴロックシーンを席巻し、彼らの音楽性は後のインディーロックミュージシャンに多大な影響を与えたと言われています。
中でも、代表作である1989年リリースのDoolittle 25(ドリトル25)は、1980年代のベスト・アルバム100にて4位を獲得するなど、不朽の名作です。
シュルレアリスムを題材として作られたアルバムのプリントはファッション性も高い1枚です。
名門ハウスレーベル
【nervous RECORDS new york(ナーバスレコードニューヨーク)】
1991年アメリカで創設されたレコードレーベルで、90年代の東海岸ハウス全盛期の中でも、最も有名なレーベルの1つです。
フロントプリントは、ハウスミュージック界では、お馴染みでロゴマークです。
当時、流行っていたArsenio Hall(アーセニオホール)のフラットトップのヘアスタイルからヒント得たユニークなデザインが人気です。
ファッションと音楽を繋ぐバンドTシャツ
ライブ会場の記念品として生まれた、バンドTシャツは、今では多くのバンドの歴史を語る上で欠かすことのできないものとなっています。
いつの時代も音楽はファッションに強い影響を与え、好きなバンドを語る上で、代名詞のような存在となっています。
90年代の人気再燃によって、ファッショントレンドアイテムとして、バンドTシャツが注目を浴びています。
音楽とファッションの歴史を改めて知ることができるバンドTシャツの魅力をぜひ、楽しんでみてください。