みなさんこんにちは!
古着屋JAM京都三条店の坂井です。
9月も後半戦ですがまだまだ昼間は暑いですね。ただ、日が落ちるとかなり過ごしやすくなってきました。
前回のブログでは「黒」色にフォーカスしておすすめのアイテムやオーブブラックのコーデを紹介しました!
よければこちらもぜひご覧ください。
現在、古着屋JAMでは全店で2024年秋冬のスウェットイベントを開催中です!
「Choose Sweat – 自分のスウェットを選べ -」
・日程
2024年9月14日(土)~2024年10月20日(日)
・入荷内容
vol.1 9/14 (土) ~ 9/29 (日)
– ワンポイントスウェット・パーカー
– 無地スウェット・パーカー
– スポーツブランドスウェット・パーカー
vol.2 9/30 (月) ~ 10/20 (日)
– ジップパーカー
– カレッジロゴスウェット・パーカー
– チャンピオン リバースウィーブ
– US デザインスウェット
このようなイベントになっております!
そこで今回は無地スウェット、特にRUSSELL ATHLETIC (ラッセルアスレチック) の無地スウェットについて徹底解説していきます。
タグによる年代判別の方法やコーデもご紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください!
目次
【ブランド解説】RUSSELL ATHLETIC とは?
アメリカを代表する老舗アスレチックウェアブランドです。
1902年にアラバマ州アレキサンダー・ シティにてベンジャミン・ラッセル氏によって創立されました。
アメリカの国鳥である「アメリカン・イーグル」をかたどったRマークのロゴとともに、現在まで続くブランドです。
また、世界で初めてスウェットの原型を作ったブランドとして広く知られています。
RUSSELL ATHLETIC 誕生からの歴史
1920年代
RUSSELL ATHLETICが創業した当時はウールで編まれたフットボールシャツが主流でした。
しかし、1920年に創業者の息子であるラッセル・ジュニアがウール製フットボールシャツをコットン製に改良することを父親に提案します。
ウール製のフットボールシャツは摩擦によって皮膚がすり向けてしまったり、汗をかくとで着心地が悪くなってしまう性質がありました。
ウールと比較して吸水性と速乾性に優れているコットン製のフットボールシャツはすぐに学生やスポーツプレーヤーに受け入れられていきました。
これが現在まで販売されているスウェットの原型で、100年近くたった今でもそのデザインはほぼ変わっていません。
1930年代
その後、1938年には世界で初めてスクリーンプリントを手がけます。これがアメリカンラバープリントの原型です。
スクリーンプリントとは衣類の生地表面に当てたメッシュ状の版にインクを伸ばし、版画のように転写させる印刷方法です。
スウェットやパーカーに限らず、Tシャツなどにも使用されています。
しかし、当時のプリントは、色落ちや塗料が均一にのらないなど問題が多かったようです。
1940年代
第二次世界大戦時には米軍への訓練用ウェアを支給していました。
この当時のスエットパンツはおよそ50年後、1990年代の広告にも採用されたようです。
RUSSELLの製造社ナンバーは「WPL7232」。この番号はRUSSELL創業から現在に至るまで変わりません。
第二次世界大戦時の軍への支給品や消防士への支給など官給品についてはRUSSELLのブランドロゴは外されます。
そのため、この製造社ナンバー「WPL7232」がネームについている製品がRUSSELの生産であると分かり、マニアの間でも高額の取引がされているようです。
1960年代
1962年に開発されたRUSSELL独自の「ラスプリント」という印刷方法は企業秘密の塗料を使い、
洗濯や乾燥を繰り返しても色あせず、激しい摩擦にも負けない耐久性を持たせることに成功しました。
「たとえウェアは擦り切れても、ラス・プリントだけは残る。」
というキャッチコピーにより全米のスクール、カレッジへの納入が飛躍的に拡大し、全米No.1のスウェットメーカーに成長を遂げました。
アメリカン・イーグルがブランドイメージとして採用されたのもこの頃です。
1970年代
1972年に「ラッセルサザンカンパニー」という社名が「ラッセルアスレチック」へ変更されました。
この年にようやく今も使われるブランド名に切り替わります。
この頃に使われていたタグは通称「金タグ」「黄タグ」と呼ばれています。
こちらのタグは金タグの中でもセカンドと呼ばれるバージョンで、
「R」部分に重なるように筆記体で斜めに「RUSSELL ATHLETIC」と入ります。
60年代後半から70年代にかけては金色モチーフのタグが付いていることが多いです。
1980年代
1980年代はNFL (ナショナルフットボールリーグ) やMLB (メジャーリーグベースボール) といったアメリカのプロスポーツとサプライヤー契約を次々に締結していきます。
NFLでは28チーム中の24チームにユニフォームや練習着を提供していました。
また、1984年のロサンゼルスオリンピックでは、米国代表ベースボールチームのユニフォームを供給します。
この頃使われていたのはこのようなデザインのタグです。
金タグと同じくプリントのタグで、青色と赤色のデザイン。
後半になるとプリントから刺繍に移行していきます。
1989年、プロスポーツ選手のトレーニング用に開発された高品質シリーズ「プロ・コットン」ライン発表します。
1990年代
1990年に質量感と美しい風合いを誇るRUSSELの代表的なシリーズ「ハイ・コットン」ラインを発表します。
また、RUSSEL史上、最大の販売量を誇る「NU BLEND (ニューブレンド) 」ラインが誕生したのもこの頃、1991年です。
ニューブレンドは毛玉を防止する新素材として発表されました。
1992年にはMLBの公式サプライヤーに就任し、2004年まで務めます。
現在のRUSSELL ATHLETIC
2007年、米国最大規模のアンダーウェアメーカー、フルーツ・オブ・ザ・ルームと合併します。
日本においても、プロ・コットン、ハイ・コットン、ニューブレンドの3シリーズを軸とした、スウェットやTeeシャツのラインナップを展開しています。
古着で見かけることも多く、年代の古いビンテージアイテムはかなり高額で取引されています。
また、最近では近年物のレギュラーも価格の上昇が見られていて、注目されていることが分かりますね。
※L.L.Bean RUSSELL ハーフジップトレーナー EAA386144 ¥12,100 (tax in)
レギュラーアイテムの中でも、L.L.Bean (エルエルビーン) とのダブルネームは特に人気です。
1980~90年代頃、RUSSELL は L.L.Bean のOEM生産を請け負っていました。
OEMとは”Original Equipment Manufacturing”または “Original Equipment Manufacturer” の略語で、委託者のブランドで製品を生産すること、または生産するメーカのことです。
つまりこの場合だと、 L.L.BeanがRUSSELLに生産を依頼し、RUSSELLが L.L.Beanのアイテムを製造したということになります。
そうして生産されたアイテムが現在でも非常に評価が高く、かなり見かける数も少なくなっています。
価格もジワジワ上がってきていますね。
【魅力】RUSSELL ATHLETIC の無地スウェット
特徴
RUSSELL ATHLETICというブランドの歴史をご紹介してきました。
つづいてはアイテムの特徴や魅力に注目していきます!
RUSSELLのスウェットは身幅が広めにとられていて、着丈も長すぎず、ゆったりとしたシルエットで着れる個体が多いです。
また、ヴィンテージスウェットではお馴染みのVガゼットが付き、生地の傷み防止や汗溜めの効果も期待できます。
コスト削減のためもあってVガゼットを廃止しているブランドも多いため、個人的には魅力の1つかと思います。
こちらのブログではヴィンテージスウェットについても詳細に記載しておりますので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!
今回はRUSSELL ATHLETIC の歴史を振り返る中で登場したプロ・コットン、ハイ・コットン、ニューブレンドの3シリーズに注目していきます!
プロコットン
※RUSSELL PRO COTTON 無地スウェットトレーナー EAA438836 ¥11,990 (tax in)
プロスポーツ選手のトレーニングを想定して開発されていて、汗をしっかり吸収、動きやすさと頑丈さも兼ね備えています。
Champion (チャンピオン) のリバースウィーブと比べても遜色ないほどの肉厚さです。
何度も着て、洗濯してを繰り返すうちに独特のフェードや風合いの変化を楽しむことができます。
ハイコットン
※RUSSELL HIGH COTTON スウェットトレーナー EAA423917 ¥9,900
プロコットンと比較すると軽い生地感になります!
防縮加工が施されており、機能性と耐久性を兼ね備えています。
重量感としっとり感のバランスがとても良いラインですね。
ニューブレンド
コットン50%、ポリエステル50%を配合しており、毛玉ができにくく、色褪せも少ないという特徴を持っています。
速乾性にも優れていて、軽く、柔らかいという特徴があります。
Champion との違い
RUSSELLと同じくスウェットの老舗ブランドとしてChampionを人気です。
特にリバースウィーブはビンテージアイテムも、復刻や近年物、どちらも価格が上がり続けています。
リバースウィーブの1番の特徴は縦方向の縮みを防ぐために開発されたChampion 独自の製法です。
こちらのブログでも詳細に解説しています!
気になる方はぜひご覧ください。
リバースウィーブはその頑丈さと着心地の良さで人気を博しています。
年代にもよりますが、生地感や重量感はRUSSELLのプロコットンと近いと言えます。
その点、RUSSELLのハイコットンやニューブレンドが徐々に軽く、スポーツやアウトドアよりはタウンユースに変化してきました。
身幅広め、長すぎない着丈でゆったり着れて、肉厚というよりは軽めの生地感を求めているときはRUSSELLのスウェットを
ガシガシ着て、どんどん洗っても縮みの心配なく、経年変化も楽しめるスウェットを探しているときはChampionのリバースウィーブを、というように比較できそうです。
おすすめ RUSSELL アイテム紹介
Henry neck hoodie
ひとつめはヘンリーネックのパーカータイプです。
そもそも珍しい、とも思いますし、L.L.Bean とのダブルネームでも見つかりますがこちらはRUSSELLのアイテム。
しっかりUSA製で、コットンとポリエステルの50%ずつ配合です。
後ほどコーデもご紹介しますが、スラックスやチノパンにシャツ、といったアイビーの雰囲気に混ぜてみても良さそうです。
※スウェットトレーナー・パーカー (無地) RAB404517 ¥10,890 (tax in)
Faded glay sweat
こちらもUSA製、フェードが進行している過程のグレーです。
表記サイズもMと使いやすく、1枚でもインナーでも着られます。
無彩色で中間色のグレーは相性が悪い色がほとんどありません、そのため、あえて色物のパンツに挑戦するときにも良いかと思います。
※スタッフ私物
コーデ紹介
無地パーカー×カモ柄パンツ
先ほどご紹介したヘンリーネックパーカーを使って、クワイエットアウトドアを意識したコーデです。
クワイエットアウトドアとはクワイエットラグジュアリーから派生し、控えめなロゴや上品なカッティングで品格を表現するスタイルです。
トップスはネイビーで落ち着いたトーン、リアルツリー柄のパンツに合わせ、足元はサンダル。
カットソーをレイヤードでチラ見せすることで柄物のパンツをあわせてもごちゃついて見えないですね。
小物はメトロハットとサングラスでアウトドア要素も追加しています。
無地スウェット×カーゴショーツ
こちらも先ほどご紹介したグレーのスウェットを使ってコーデを組んでみました。
クワイエットアウトドアを意識し、ボトムスにはカーゴショーツ。
トップスのサイズ感が大きい時や、着丈の長いシャツを着る際はショーツがおすすめです!
夏のアイテム、というイメージが強いかとは思いますが、今回のようにスウェットにショーツや、ライトアウターにショーツといった秋のスタイルも良いですね。
あとがき
いかがでしたでしょうか?
今回はRUSSELLのスェット・パーカーについて解説してきました。
古着屋JAM全店にて種類豊富に取り揃えております!
またスウェットの入荷強化イベント、
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ぜひお近くの店舗へお越しくださいませ。
スタッフ一同お待ちしております!