誰もが知る名作中の名作アイテム、「バーバリートレンチコート」は、時代が変わっても人々を魅了し続けています。
今回はそんな「バーバリートレンチコート」の魅力について、歴史からディティール、マニアも唸る、おすすめの商品まで徹底解説いたします。
是非、最後までご覧ください。
「バーバリートレンチコート」の歴史
1856年、トーマス・バーバリーが21歳のとに洋服店を開業。これこそ「Burberrys」の始まりとなります。
彼は”服は英国の天候から人々を守るものであるべきだ”と考え、常に着心地や機能性を追求し続けていたそうです。
ジャケット、マフラー、アクセサリーなど数々の品を販売し、1870年には大規模小売店となりました。
高機能素材ギャバジンの開発
1879年に、ギャバジンという現在のバーバリーの代名詞ともなる織物を開発。
1888年には特許を取得し、1917年までその製造権を独占しました。
「バーバリートレンチコート」に使用されているギャバジンという生地は、羊毛でできたウーステッドという織物をさらに綾織りにし、独自の方法で加工することで、耐久性と防水性に大変優れたものになっています。
ギャバジンとは本来”外套”という意味ですが、スペイン語や古フランス語、ドイツ語が語源となっている説など、様々な説があると言われています。
バーバリートレンチコートの起源 “タイロッケンコート”
ギャバジン素材を使って最初に製造されたのが「タイロッケンコート」。
1895年のボーア戦争でのイギリス人士官用に作られたコートで、タイロッケンとは”tie lock(ひもで締める)”という意味。
現在ファッションブランドで販売されている、タイロッケンコートはバーバリーが起源となっています。
トレンチコートは”塹壕(トレンチ)”がルーツ
第一次世界大戦中、機能性の高い軍服への需要が高まり、英国陸軍省より依頼を受け、英国陸海軍の軍人たちが使用するためにタイロッケンコートに数々の修正が加えられた「トレンチコート」が開発されました。
“トレンチ”とは塹壕(銃撃や砲撃から身を守るための穴)という意味。
塹壕での戦闘にも対応できるよう「バーバリートレンチコート」には、ミリタリーアイテムのディティールが多く存在します。
大戦中には50万着以上が着用され、終戦後に市民に広まることとなったのです。
アイコニックなバーバリーチェック
「バーバリートレンチコート」のアイコンである、バーバリーチェックは、1920年代にトレンチコートの裏地として使用されたのが始まりとされています。
当時のイギリスでは、ウインドーペーンと呼ばれるタータンチェックが多く使用されていましたが、バーバリー・チェックは、カントリー・タータンと呼ばれるチェック柄からアレンジしたもので、公募によって決定されました。
キャメル色に黒・白・赤で構成されたバーバリーのチェックは細かく、洗練された色合いが特徴で、”ヘイマーケットチェック”または”バーバリークラシックチェック”として知られています。
バーバリー・チェックが世界で一大ブームを起こした後、パリのショーにて、初めて裏地以外で使用された傘が発表され、バッグやマフラーなど様々なファッションアイテムに使用されるようになりました。
現在、バーバリーチェックには様々な種類があり、ブランドのアイコンとして認識され続けているのです。
「バーバリートレンチコート」のディテール
ここからは、「バーバリートレンチコート」の魅力的なディティールの数々をご紹介いたします。
「バーバリートレンチコート」がミリタリーアイテムとして開発されたルーツから生まれた、戦闘用のディティールにも、ご注目ください。
エポレット
肩に付いている輪状のパーツで、手袋や双眼鏡、銃の吊り紐など軍用品を吊るすために付けられました。
ガンフラップ
右肩から胸にかけて付けられた布のこと。ライフルを撃ったときの衝撃から身を守るためのものと言われていますが、雨や風の進入を防ぐこともでき、ストームストラップとも呼ばれています。
Dリング
ベルトループに付いたD字型の金具。水筒や手榴弾の持ち運びの為に付けられました。
ストームシールド
背中部分の生地が2重になっている部分でアンブレラヨークとも呼ばれます。雨水のコート内への侵入を防ぎ、水滴が落ちるように設計されています。
チンストラップ(チンウォーマー、スロートラッチ)
上衿に付けられた小さな持ち出しのこと。防寒・防風用としての機能的な役目をもち、フック留めした襟元をさらに上から保護するためにつけられています。
インバーテッドプリーツ
後身頃の下部にあしらわれている内側に向い合うプリーツ。戦場で兵士がスムーズに足を動かしやすくするために採用されました。着丈の長い裾もこのプリーツによりスリムなシルエットを作り出しています。
おすすめの「バーバリートレンチコート」
ここからは、様々な種類がある「バーバリートレンチコート」の数々の中から、特に珍しい個体をご紹介いたします。
ヴィンテージマニアも唸る、珠玉の逸品をぜひご覧ください。
バーバリー Burberry’s 一枚袖 トレンチコート 英国製
近年需要の高まっている、”一枚袖”のディティールを持ち合わせたこちら。ダブルブレストといった、オーセンティックなディティールを踏襲しており、長年連れ添うことのできる、頼りになる相棒になってくれるでしょう。
一枚袖とは?
通常の「バーバリートレンチコート」の袖は二枚袖といって、腕の上部と下部の二か所で縫い合わせていて、2枚の生地を合わせて構築されています。
しかし、一枚袖は下部の脇下にのみ縫い目がり、1枚の生地で構築されているため、一枚袖と言われています。
二枚袖は立体的なシルエットで、肩のラインがしっかりと出来上がっており、ジャストサイズでないと、ボコッと肩のシルエットが出てしまいます。
対して、一枚袖は上部に縫い目がないため、肩のラインに沿って流れるようなシルエットが出来上がることが人気の理由。
近年オーバーサイズが定着化し、「バーバリートレンチコート」も大きめを選ぶ方が多いですが、ゆったりとしていて、肩まわりがすっきりとしたシルエットを求めた結果、一枚袖の需要が高まってきています。
バーバリー Burberry’s 玉虫カラー コットン100% トレンチコート 英国製
通称”玉虫カラー”のギャバジンを使用した「バーバリートレンチコート」。違った色の縦糸と横糸で織られることにより、見る角度や光の反射によって発色が変わる”玉虫カラー”はバーバリーの代名詞でもあります。
バーバリー Burberry’s 一枚袖 トレンチコート 英国製
前述同様の一枚袖のタイプで、フロントがダブル仕立てではないデザインです。身体を覆うようにに包み込み、一枚袖の流れるようなシルエットを堪能できる一着です。
50年代 バーバリー Burberry’s ステンカラーコート バルマカーンコート
シンプルなステンカラータイプのこちら。50年代の大変希少なもので、多くの「バーバリートレンチコート」に使用されているコットンギャバジンではなく、ウールギャバジンが使用されています。ウールギャバジン特有の滑らかな肌触りや、落ち感など雰囲気抜群の一着です。
総柄 ペイズリー柄 バーバリー Burberry’s トレンチコート 英国製
ペイズリー柄が全体にあしらわれたゴージャスな「バーバリートレンチコート」です。”玉虫カラー”よりも希少性が高い滅多にお目にかかれない一着です。
40年代 バーバリー Burberry’s カラーネップ ツイードコート フランス製
ツイードのシンプルなステンカラーの「バーバリートレンチコート」です。ウールと思われるツイード生地にカラーネップが入っており、とても上品なアクセントとなっています。
色褪せない名作「バーバリートレンチコート」
いかがでしたでしょうか。
「バーバリートレンチコート」は、完成されたプロダクトとして、時代が変わっても色褪せない魅力にあふれています。
一枚袖の「バーバリートレンチコート」の人気も相まって、その注目度は衰えることを知りません。
今後もマスタピースであり続けるであろう逸品を是非。