リバイバルブームの影響もあり、隆盛を見せる「スタジャン」。
注目の人気のアウターですが、混同されがちなのが「スカジャン」「バーシティジャケット」「アワードジャケット」。
名前が似ていることもあって、違いが分からない方も少なくないのではないでしょうか。
今回は「スタジャン」にフォーカスして「スカジャン」「バーシティジャケット」「アワードジャケット」との違いや、特徴、コーデなどを解説いたします。
目次
結論「スタジャン」=「バーシティジャケット」「アワードジャケット」
「スタジャン」とは、”スタジアムジャンパー” の略称で、選手が練習中や休憩中にも身体を冷やさないために作られたスタジアム用のジャンパーを指します。
海外では、”バーシティジャケット”や”アワードジャケット””レターマンジャケット”など様々な呼び方があり、最初はエリート選手のみが着用することを許されたジャケットと言われています。
そのデザイン性の高さから、広がりを見せた「スタジャン」は、様々な大学や高校に広まり、やがて観戦客も着用して応援するようになりました。
日本では、1980年代に大学のサークルを中心に広まり、後の渋カジブーム以降はファッションアイテムとして人気を博しています。
「スタジャン」の特徴
ここからは、そんな「スタジャン」の特徴的なディティールポイントについてご紹介していきます。
ワッペンや背中の刺繍
「スタジャン」の特徴の一つとして、左胸部分や背中に、アルファベットや数字の刺繍・プリントが施されています。
左胸には、チームや大学名のイニシャルを、シニールと呼ばれるワッペンで縫い付けてあるものが多くあります。
右胸や背中にはポジション番号や卒業年度、戦績などを刺繍されているものが多く、年数を重ねるごとに増えていったものは、憧れの対象になることもあったそうです。
身頃と袖の生地の切替
「スタジャン」の特徴として、身頃にはウールやメルトン、袖にはレザーなどの素材が使われているものが多く存在します。
元々袖にもウールやメルトン素材が使われていましたが、スポーツの激しい動きに対応するため、1940年以降はレザー製の袖が増えたとされています。
鮮やかな色との切替しが目を引くものが多いため、「スタジャン」がファッションアイテムとして用いられた理由の1つとも言われています。
リブのライン
「スタジャン」の特徴として、襟・袖口・裾部分の3か所に主にリブが採用されていて、1~2本のラインが施されています。
中には襟部分がリブではなく、襟付きのデザインのものもありますが、ほとんどの「スタジャン」にはこのディティールが見られます。
「スタジャン」と「スカジャン」「アワードジャケット」の違い
ここからは、混同されやすい「スタジャン」と「スカジャン」の違いと、「スタジャン」と「アワードジャケット」との違いについて解説いたします。
スタジャンとスカジャンの違い
「スタジャン」は、前述のとおり、スタジアムで使用されるために作られたジャンバーということがわかりました。
一方で「スカジャン」は、”横須賀(ヨコスカ)ジャンパー”の略称とされています。
アメリカでは”スーベニア(土産)ジャケット”と呼ばれていて、横須賀に駐留していたアメリカ軍人が自分のジャケットに和風の刺繍を入れたことが始まりと言われており、それ以降アメリカ軍人のお土産として定着していきました。
着物や帯などの日本らしい土産が人気の中、アメリカ人に親しみのあるベースボールジャケットを基に刺繍を施したところ、大変な人気を博したと言われています。
それ以降、日本各地の基地から海外の米軍基地でも販売され、横須賀基地周辺でも一般販売が開始されるようになった結果、1970年代には「スカジャン」としてファッションにも取り入られるようになったとされています。
装飾の違い
「スタジャン」の装飾には、ワッペンや刺繍が用いられ、チームのイニシャルや戦績などをモチーフとしています。
「スカジャン」は、日本のお土産として作られたアイテムであったため、日本らしい龍や鷹などの和風刺繍が色鮮やかに施されています。
生地の違い
「スタジャン」生地
「スカジャン」生地
「スタジャン」には、ダッフルコートやピーコートなどにも用いられるメルトン素材やウールといった、秋冬向けの厚手の素材が主に使用されています。
一方で「スカジャン」には、光沢がありサラッとしたサテン生地や、ベロアに近い毛羽立ちのある別珍生地などが使用されていて、主に春夏向けの薄手の素材が使われています。
「スタジャン」と「スカジャン」は名前が似ていることから、混同されることも少なくないですが、比べてみるとかなり違いがあることが分かります。
スタジャンとアワードジャケットの違い
「スタジャン」と混同しやすいアイテムとして、「アワードジャケット」も挙げられますが、その違いは一体何なのでしょうか。
実は、「スタジャン」は日本人が作った和製英語です。一方で「アワードジャケット」は海外で使われている名称を指すため、「スタジャン」と「アワードジャケット」は同じものを指します。
前述のとおり、「スタジャン」と呼ばれるようになった原点は、野球選手が自分の出番を待つ間、体を冷やさないようにユニフォームの上から着ることを前提に作られた防寒具であることから、スタジアムジャンバー=「スタジャン」とされています。
同様に、大会で活躍した選手に記念(アワード)として贈られるジャケットでもあったため、海外では「アワードジャケット」として呼ばれています。
日本では、「スタジャン」の方が馴染み深く感じるかもしれませんが、由来が違うだけで、「スタジャン」と「アワードジャケット」は同じものを指しているのです。
「スタジャン」のメンズコーデ・レディースコーデ
ここからは、「スタジャン」を使ったおすすめコーディネートをメンズ・レディースで紹介していきます。
「スタジャン」を使ったメンズコーデ
「スタジャン」を使ったレディースコーデ
意外と違う。似ているのは名前だけ
「スタジャン」と「スカジャン」は名前は似ているものでも、全く別物であり、「スタジャン」と「アワードジャケット」は同じアイテムを指すことがお分かりいただけたと思います。
リバイバルブームの影響もあり、年々それぞれの価値は高騰しています。古着屋JAMでは、そんな「スタジャン」や「スカジャン」を多数取り揃えております。
是非、お気に入りの一着を見つけてみてください。