皆様、新年明けましておめでとうございます。
古着屋JAM京都三条店の饗庭です。
昨年は沢山のご来店、誠にありがとうございました。本年も日々の装いがより楽しくなるようなご提案をお届けできればと思います。引き続きご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
さて、新年、年はじめ。一年の目標や今年チャレンジしたいことなど、考えられた方も多いのではないでしょうか。僭越ながら私個人からのご提案として一つ目標に加えていただきたいのが、
“新しい服にチャレンジする”ことです。
いわゆる”イメチェン”ですが、これは非常に縁起がいい行為だそうで、気持ちや行動が切り替わり、新しい流れを呼び込みやすくなるのだとか。新しい年の始まりにもってこいではないでしょうか。
今回その候補の一つとして皆様にご紹介させていただくのが、スエードジャケットです。
目次
スエードジャケットの起源と歴史
スエードジャケットの起源

スエードジャケット(ここからは両者をまとめて”スエード”と表記致します。)の起源は19世紀以前まで遡ると言われており、その柔らかさと保温性から狩猟や作業用など実用的なアイテムとして使用されていました。
上流階級の余暇着に
実用性重視の観点で生まれたスエードジャケットに“品格”が付き始めたのは20世紀に入ってから、ヨーロッパの貴族階級が余暇としての狩猟、または乗馬、ドライビングなどで着用することが増えたのがそのきっかけでした。ここから上流階級の余暇着としての認識が広まり始めます。
ファッションとしての定着


そこから一般市民にファッションとして普及したのは主に第二次大戦後の欧米諸国、人々の生活に安定が見え始め余暇文化が拡大した1950年頃とされており、60~70年代にはネイティブアメリカンやウェスタン的な雰囲気から、工業的な大量生産的価値観や既存社会への反骨心と自由の象徴としてヒッピーやアーティストに愛用されるようになります。
こうして様々な文化と時間をまとって洗練されていったスエードジャケット。その奥深さ、品格、色気は今日も私たちを魅了し続けています。
スエードヌバックについて

スエード・ヌバックと言われる素材についてご説明します。よく並べて表記されることが多い二つですが、明確な違いをご存知な方は少ないのではないでしょうか?
簡潔にまとめると、革の表面を軽く起毛させた素材がスエード・ヌバックと呼ばれる素材です。
両者の違いは起毛させるのが表面か裏面かという点で、スエードは革の裏面を、ヌバックは表面を起毛させており、一般的にスエードの方がより柔らかく、ヌバックの方がより強度があるとされています。その為、快適性が重視されるジャケットなどの衣服にはスエードが、耐久性や均一性が重視されるワークブーツやアウトドアアイテムにはヌバックが使用されることが多くなります。皆様ご存知、ティンバーランドのイエローブーツにもこのヌバックが使用されています。
いずれも指先に吸い付くような柔らかさと、光沢を抑えた落ち着きのある表情が魅力です。傷や経年変化すら味わいとして受け止めてくれる懐の深さがあり、育て甲斐のある、古着好きとしては見逃せない素材です。
華美ではないが確かな品格が漂う、時間や使い手のライフスタイルを映し出す「余白のある上質素材」と言えるでしょう。
スエードジャケットの代表的なモデルを種類別にご紹介!
スエードジャケットが少しずつ気になってきて下さった方も多いのではないでしょうか?ここで、様々な種類があるスエードジャケットの中から、代表的なものをいくつかご紹介いたします。難易度の高いコートタイプは避け、腰丈前後の短丈で使いやすく人気なブルゾンタイプに絞ってご紹介しております。ご自身のスタイルに合いそうなものを見つけていただく参考になれば幸いです。
スポーツジャケット


スエードレザージャケット ALAN FLUSSER ¥15,290(tax in) eaa584105
運動性と軽快さが特徴のスポーツジャケット。ジッパーでの前開き仕様にハンドウォームポケットが付いたこの形は、スエードに限らずレザージャケット全般で人気の高い形です。
20世紀初頭から存在する歴史的な形で、今回のテーマであるスエードジャケットにおいても最も古くから存在し、現在でも最も多く見られる形です。
快適さを軸に最適化されたディティールは、テーラードほど堅すぎず、ワークほど武骨すぎない。シンプルで洗練された印象が特徴のジャケットです。
こんな方におすすめ!

・50~60年代のクラシックな雰囲気が好きな方
・無骨さよりも、色気やスタイリッシュさを求める方
・デニムやスラックスに軽く合わせて雰囲気を作りたい方
バルスタージャケット


バルスタージャケット スエードレザーブルゾン UNKNOWN ¥17,490(tax in) eaa599301
こちらはスポーツジャケットの次に見かけることの多い形で、バルスタ―ジャケットと呼ばれるショート丈ブルゾンです。
イタリアの老舗ブランド”Valstar”が1930年代に開発したヴァルスタリーノというジャケットを原型に持つジャケットで、ドライビングや軽作業用の実用着でしたが、短丈で使いやすいシルエットや襟や袖、裾のニットリブの運動性やファッション性からカジュアルウェアとして認識されるようになりました。
イタリアンクラシックの象徴として、スポーツジャケットをより洗練させた形であり、こだわりの一着が欲しいという方にオススメです。
こんな方におすすめ!

・ヨーロッパ古着、クラシックがお好きな方
・カジュアルな雰囲気の中でも、品の良さを崩したくない方
・スラックスや革靴との相性も重視される方
トラッカージャケット

スエードレザージャケット ELTORO BRAVO ¥14,190(tax in) eaa574763
デニムジャケットなどで馴染み深い形ですが、スエードジャケットでも非常に人気の高いアイテムです。
1960年代にデニムジャケットなどのワークウェアをもとにスエードジャケットでも採用されるようになりました。
ワークの精神が溶け込んでいる分、スエードの中でも色抜けや擦れなどの経年変化が一番”味”として評価されやすいジャケットです。
こんな方におすすめ!

・ワーク、アメカジ、ミリタリーの雰囲気がお好きな方
・デニムジャケット感覚でレザージャケットを楽しみたい方
・使い込まれた雰囲気、表情に魅力を感じる方
そもそもスエード・ヌバックとは何か?
あとがき
ここまでご覧いただきありがとうございました。今回紹介させていただいたスエードジャケットは、服探しをする中でいきなり手に取るということは少ないアイテムですが、大変魅力的で歴史あるアイテムです。
スエードは本来、作業や余暇(狩猟やドライブ)といった実用の中で選ばれてきた素材です。 ティンバーランドのイエローブーツが、ヌバックというタフな革を用いながら、やがてファッションアイテムとして定着したように、スエードジャケットもまた、機能性を起点に文化と品格を獲得してきました。 傷や経年変化を”欠点”とせず、むしろ”味わい”として受け止める懐の深さこそが、スエードという素材の本質です。 だからこそスエードジャケットは、流行に消費されることなく、着る人の時間や背景を映し出す存在として、これからも長く愛され続けていくのでしょう。


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