【徹底解説】ドッカーズのチノパンについて。その起源はミリタリーにあった!

みなさんこんにちは、古着屋JAM京都三条店の坂井です。

春の日差しが心地良い季節になってきましたね。

気温が上がるにつれて服装も軽やかに、カジュアルな気分になってきます。

今回はそんな気分にぴったしハマるボトムス、「チノパンツ」について徹底的に解説していきます。

チノパンといえば “polo by Ralph Lauren” (ポロバイラルフローレン) を思い浮かべる方が多いかと思います。

今回は “DOCKERS” (ドッカーズ) という隠れたブランドに注目していきます。

チノパンの歴史や特徴、古着屋店員によるコーデまでご紹介しますのでぜひ最後までご覧ください!

こちらのマガジンでもチノパンについてご紹介しておりますので、気になる方はぜひご覧ください。

意外と奥が深いチノパン。古着屋ならではの豆知識をお届けします!

 

[お知らせ]

そもそもチノパンとは?

今でこそファッションに欠かせないアイテムとなっているチノパン、意外にもその歴史は長く、特徴も知れば知るほど魅力が増すと思います。

チノパンは「チノ・クロス」と呼ばれるコットンやポリエステルの生地を用いて縫製されたズボンの一種だと定義されています。

チノ・クロスはコットンやポリエステルのツイル生地で、元々は19世紀中頃にイギリスやフランスの軍隊の制服に使われていた生地です。

ツイル生地は綾織で織られた生地の総称で、チノパンと同じくデニムもツイル生地となっています。

また、「チノ」という呼ばれ方の由来はスペイン語で中国を意味する “chino” だとされていて、諸説ありますが「中国」が語源となっているのは間違いなさそうです。

チノパンの歴史

起源

チノパンの起源は1846年まで遡ります。

当時、イギリス軍はインドに駐留していました。

その頃のイギリス軍は真っ白なパンツを着用していたそうですが、インドの砂地では目立ちすぎるために改良が求められていたようです。

そこでイギリス軍はカレー粉・コーヒー・桑の実を混ぜた汁を使い、インドの土地にそっくりな色にパンツを染め上げました。

インドの土色に染まったパンツは戦闘においてもカモフラージュとしての役割を果たし、その後正式に採用されることとなりました。

実はこの土色に染められたパンツこそがチノパンの起源となります。

チノパンはもともとミリタリーパンツだったんですね。

転機

その後、産業革命の中心であったイギリス・マンチェスターでミリタリーパンツとしてのチノパンは大量に生産されるようになります。

国内だけに留まらず、インドから中国へと輸出されていたようです。

ちょうどその頃、アメリカはスペインとの戦争に勝利し、フィリピンを統治することとなります。

そのために中国から大量のチノパンを買い付けました。

ちなみにこの流れが「チノパン」と呼ばれることとなる由来です。

「アメリカが中国から買い付けたパンツをスペイン語で呼んでいる」という不思議な状況ですね。

こうしたきっかけでチノパンはアメリカへ渡ることとなり、時代の変化とともにファッションアイテムとして広く受け入れられるようになっていきます。

チノパンの特徴

素材

先ほども少し触れましたが、チノパンはチノ・クロスという綾織物からできています。

もともとミリタリーで使われていたことからも分かるように、かなり頑丈な素材です。

耐久性にも優れていて破れにくく、ワークウェアとしても良く採用されています。

また、チノ・クロス自体はほとんどがコットンから作られているため、吸水性・通気性に優れています。

チノパンはよくスラックスと比較されることが多いですが、ウールやレーヨンでできているスラックスと比べると圧倒的に扱いやすいアイテムです。

色味

もともとがミリタリーパンツであることから、カーキやベージュといったアースカラーが採用されていることが多いです。

アースカラーとは地球の大地や植物、海などの自然物をイメージした色のことを指します。

具体的には、ベージュ・ブラウン・カーキ・モスグリーン・ブルーなど、茶や緑、青系の色がアースカラーとされることが多いです。

パステルカラーやビビッドカラーよりも落ち着いた暗めのトーンで、ナチュラルな印象を与えることができます。

カーキやベージュといったアースカラーは合わせやすいアイテムが多く、チノパンの汎用性を高めている理由のひとつです。

こちらからオンラインショップのチノパンをご覧いただけます。

【ブランド解説】ドッカーズとは?

ドッカーズの歴史

DOCKERS (ドッカーズ) は1986年、アメリカに誕生したブランドです。

デニムの三大ブランドであるLevi’s (リーバイス) のチノパンラインとして設立されています。

デニムブランドとして確固たる地位を築いていたLevi’s ですが、Wrangler (ラングラー) や Lee (リー) といった競合会社の台頭などから、デニムの売り上げ規模は縮小していきます。

その頃、デニムとは対照的にスラックスの市場は著しく成長していました。

市場が成長する中でブランドは乱立している状態で、デニムと比較しても有力ブランドと言われる存在はまだ現れていなかったようです。

当時はポリエステルやウールのスラックスよりもコットン製のスラックスが良く売れていて、同時期に「オフィスカジュアル」の文化が浸透し始めます。

このような市場・時代の流れを踏まえて「オフィスカジュアルとしてのスラックス」というコンセプトで市場に参入することが決定しました。

しかし、Levi’s というブランド名はデニムのイメージが強すぎたため、「リーバイスによる100%綿のドッカーズ。ドッカーズでなければ、ただのパンツにすぎない」というキャッチフレーズで新しくブランドがスタートします。

こうした経緯で ドッカーズ というブランドが始まりました。

日本へも参入していましたが2007年には撤退、現在は古着市場でよく見かけるアイテムが多いです。

特徴

シルエット

ひとことで言うとワイドテーパードのシルエットとなるチノパンが多いです。

太めにとられているワタリ幅から緩やかに裾に向けて細くなる形で、ゆったりしていながら野暮ったさをほとんど感じさせません。

ツータック入っていることで腰まわりはかなり余裕あるつくり、カジュアル過ぎず、フォーマル過ぎず、普段使いするのにかなり優秀なシルエットです。

素材感

先ほどご紹介したチノ・クロスが使用されています。

その中でもシワになりにくさやストレッチ性など、他ブランドと比較してお手入れの楽さが特徴的です。

かなり目が細かく織られているため、どこかギャバジンのような風合いも併せ持っています。

コットン100%ながら、履きこむほどにドレープ感も出てきて、デニムのように育てる感覚を味わえます。

・DOCKERS chinos ¥6,490 (tax in) / RAB436574

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【比較】ポロチノとの違い

チノパンツといえばポロチノを思い浮かべる方も多いかと思いますので、ここで比較していきたいと思います。

ちなみにポロチノとは Polo by Ralph Lauren によるチノパンで、いくつか型に種類があります。

今回はウエスト・レングスともに同じくらいのサイズで2本ピックアップして比較しております。

まずは裾幅、左がポロチノで右がドッカーズのチノパンとなっています。

見るからにポロチノの方が狭いですね。

腰周りのタックはどちらも2本で同じとなっています。

ワタリ幅で比べると1cmほどドッカーズのチノパンの方が広いとわかります。

まとめると、全体的にドッカーズのチノパンが太い作りになっています。

テーパードのかかり方は同じくらいですので、よりビジネスライクなポロチノ、カジュアルよりなドッカーズと言えますね。

・Polo by Ralph Lauren chinos ¥7,590 (tax in) / RAB481128

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【番外編】チノパン:おすすめブランド3選

① Brooks Brothers

 

アメトラを代表する老舗ブランドです。

「最高品質の商品だけをつくり、取り扱うこと。適正な利益のみを含んだ価格で販売し、その価値を理解できる顧客とのみ取引すること。」

創業者ヘンリー・サンズ・ブルックスが掲げた基本理念がこの言葉に込められていて、まさにその通り服を作り続けています。

ブランドについてはこちらの記事でも詳しく解説しておりますので、気になる方はぜひご覧ください。

【古着屋店長による徹底解説】ブルックスブラザーズのシャツの年代はタグで見分ける!

 

 

しっかりツータック、コットンツイルながらドレープ感のある生地に仕上がっています。

トラッドなスタイルにチノパンを落とし込む時にはこのような生地感を使うのが良いかと思います。

 

シルエットはドッカーズと比較するとやや細めですが、一般的にはワイドテーパードとされる太さだと思います。

かなりゆるいテーパードシルエットです、チノパンで探すと難しいところ。

・Brooks Brothers chinos ¥7,590 (tax in) / RAB483220

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② TOMMY HILFIGER

 

1984年に設立された TOMMY HILFIGER はアメカジの雰囲気を少しひねりのあるデザインで表現しているアイテムが多い印象です。

ブランドがスタートした当初からチノパンは定番アイテムとして存在していたようです。

ブランドについてはこちらの記事でも詳しく解説しておりますので、気になる方はぜひご覧ください。

人気の秘密は?トミーヒルフィガーの古着ポロシャツとおしゃれな着こなし

 

 

 

こちらもワイドテーパード、これまでにご紹介してきたアイテムと比較するとテーパードは強くかかっています。

その分、太ももまわりはしっかり取られているため、アメカジ・アメトラ、どのようなスタイルにもハマりやすいかと思います。

・TOMMY HILFIGER chinos ¥7,590 (tax in) /RAB648778

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③ military uniforms

 

チノパンはもともとミリタリーパンツだったとご紹介しましたが、実は近年でもミリタリーに採用されています。

こちらの個体は民間品ですがディテールやシルエットは近い個体ですのでご紹介させていただきます。

 

 

これまでご紹介してきたチノパンはワイドテーパードのシルエットがほとんどでしたが、こちらはストレートよりの形です。

太さも充分ありますのでワイドストレートとなります。

ただ、ミリタリーパンツなだけあって太すぎることはないため、スラックスっぽく履いたり、チノパンらしいスタイルにも使えますし、持っていて損はないかと思います。

・military chino trousers ¥11,990 (tax in) /RAB357612

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チノパンを使った春コーデ

チノパンを使った古着屋店員によるコーデを2つご紹介します!

チノパン × ワークジャケット:シティスタイル

 

着用ポイント

チノパンにワークジャケットを羽織りました。

トップスは白のドレスシャツにアーガイル柄のニットをレイヤード、足元はローファーで綺麗にまとめています。

基本的にトラッドなスタイルで固めつつ、ワークジャケットの無骨さが良い抜け感となっていますね。

色使いもネイビー × ブラウンで抑えていて、ジャケットの刺繍とキャップのオレンジを揃えてみました。

着用アイテム

Jacket : work jacket ¥8,690 (tax in) / RAB629877

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Tops : Polo GOLF knit sweater ¥8,690 (tax in) / RAB598660

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Tops : Polo by Ralph Lauren white shirt ¥7,590 (tax in) / RAB584175

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Trousers : Polo by Ralph Lauren chinos ¥7,590 (tax in) / RAB523362

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チノパン × スタジャン:アイビールック

 

着用ポイント

チノパンにナイロン素材のスタジャン、トップスはシャツにネクタイを締めています。

足元はペニーローファーでアイビー・プレッピーの雰囲気を全面に出しています。

スタジャンのトップボタンは外して首元のVゾーンを見せています。

見えている面積が小さいため、普段あまり使わない色のネクタイなども付けやすかったりはします。

着用アイテム

Jacket : nylon stadium jumper ¥11,990 (tax in) / RAB609641

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Tops : CHAPS white shirt ¥7,590 (tax in) / RAB584173

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Trousers : Polo by Ralph Lauren chinos ¥7,590 (tax in) / RAB483218

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Tie : used tie ¥3,190 (tax in) / RAB432155

Cap : AMERICAN NEEDLE NY BLACK YANKEES ¥4,950 (tax in) / JAA000399

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おすすめ入荷

St.JOHN’S BAY denim jacket

 

アメリカの老舗デパートから出ているプライベートブランドです。

ネルシャツやデニムジャケット、レザージャケットなどベーシックなアイテムを見かけることが多いです。

 

こちらのアイテムもベーシックなデニムジャケット、身幅・着丈ともにジャストで着れるサイズ感です。

流行りの短丈ではありませんが、流行に左右されないベーシックさ、長く着られる安心感が抜群に良いブランドだと思います。

程よい色の残り方です、これからまだまだ育てていけます。

・St.JOHN’S BAY denim jacket ¥7,590 (tax in) / RAB640218

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Eddie Bauer L / S polo shirt

 

こちらも老舗アウトドアブランド、Eddie Bauer (エディー・バウアー) からオレンジのロンポロです。

しっかり鹿子編みで、サイズ表記もM、1枚で着ても様になりますし、インナー使いでもいい存在感を与えてくれると思います。

全体的なサイズ感はジャストに近いですが、アームホールにはやや余裕のあるつくりになっています。

細かいところですが、意外とこういう点が長く着れる洋服の特徴だったりします。

・Eddie Bauer L / S polo shirt ¥6,490 (tax in) / RAB525246

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346 Brooks Brothers sport jacket

 

先ほどもご紹介した Brooks Brothers からスイングトップです。

“346” とは高品質ながらも比較的手頃な価格設定が特徴で、若い世代や初めて Brooks Brothers を購入する方をメインターゲットとするラインです。

ブランド創業当初の店舗住所であるニューヨークの346マディソン・アベニューに由来する名前となっています。

 

襟がボタンダウン仕様となっています。

個人的には初めて見たディテールです。

グレーの色味、生地感ともにカジュアルラインとは思えないアイテムです。

・346 Brooks Brothers sport jacket ¥13,090 (tax in) / PAA006511

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あとがき

いかがでしたでしょうか?

今回は春に履きたいチノパン、特に DOCKERS というブランドについてご紹介してきました。

古着屋JAM京都三条店でも種類豊富に取り揃えておりますので、気になる方はぜひご来店ください。

また、古着屋JAM京都三条店では店舗のInstagramも運営していて、おすすめの入荷商品やコーデを毎日発信しています。

こちらもぜひご覧ください。

最後までご覧いただきありがとうございます。

スタッフ一同、皆様のご来店をお待ちしております。

前回のマガジンはこちらからご覧いただけます

 

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〒 604-8082
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