【古着デニム三大ブランド】ブランド別の違いを古着屋店員が徹底解説。おすすめデニムアイテムもピックアップ!

みなさんこんにちは、JAM札幌店の諸澤です。

9月も半ばとなり札幌では本格的な秋が始まりました。

つい最近まではTシャツ一枚で外に出れましたが、気温が低くなってきたこともありアウターやシャツを羽織る機会が増えてきました。

今回は秋シーズン到来という事で古着の王道"デニム"についてブランド別に解説していきたいと思います。

デニムとは

デニムといえばアメリカなんていうイメージが強いですが、実はデニム生地はフランスのニーム地方が発祥でそこからアメリカに渡ったという歴史があります。

その後1873年にLevi’s社で世界初のジーンズが作業着として開発されました。

長らく炭鉱作業員の仕事服としての見方が強かったですが、1950年代から、エルヴィス・プレスリ―の台頭もあり若者に好んで履かれる事が多くなり、デニムのファッションとしての歴史が始まったと言われてます。

デニムブランド毎の特徴

Levi’s

ジーンズの生みの親でもあり、デニムといえばLevi’sというイメージの方も多いのではないでしょうか。

数々の名作を世に輩出してきたこともあり、アメリカンカジュアルを楽しむ為には必須アイテムになりつつあるかと思います。

古着業界でも随一の値段の上がり方をしている当ブランドのデニム、いつでも今の価格が最安値というのも納得できるアイテムの数々です。

生地

13.3オンスの右綾織りの生地を使用しており、左綾織りに比べ織り込まれる際に強い力がかかるので伸びにくいのが最大の特徴です。

色落ちの仕方としては、太もも上部にできる通称"ヒゲ"と呼ばれる色落ちや、膝裏にできる通称"ハチノス"と呼ばれるようなデニムにみられる特徴的な色落ちがしやすい為デニムを育てたいという方にはぴったりなデニムかと思います。

ディテール

*1:アーキュエイトステッチ

*2:リベット

細かなデザインの違いに関してもブランド毎に好きな方は多いかと思います。

当ブランドのパンツのバックポケットには必ず2重の弓形のステッチが入り、当ブランドのトレードマークにもなっています。(*1の写真参照)

また、フロントポケットにはリベットという縫い目の補強を行う為の金属が付いており、ジーンズのデザインの基盤になったディテールの一つです。(*2の写真参照)

年代毎にディテールが細かく変わっているので抜粋して紹介させていただきました。

100年以上の歴史があるだけにヴィンテージから近年のものまで数多くの種類を吟味しながら自分にピッタリな一着を選べるというのも当ブランドの嬉しいポイントかと思います。

おすすめアイテム

ブラックデニム517

商品番号:eaa358922 ¥19,910

当ブランドに関しては皆さんかなり知っている方も多いと思うので、少しニッチな物を紹介させていただきます。

こちらはブラックデニムの517という品番で、セミフレアシルエットという裾に向かって広がるのが特徴的なデザインで、通常のブルーデニムよりもかなり流通が少なく希少なモデルです。

足を長く見せる効果のあるシルエットに加え、収縮色である黒の組み合わせはスタイルをよく見せるのにも効果的かと思います。

デニムジャケット70505

商品番号:eva000820 ¥44,000

通称3rdタイプと呼ばれるこの形は、Levi’sのデニムジャケットの中でも人気が高く、現代のデニムジャケットの完成形とも称されるモデルです。

このデザインをサンプリングした商品の数は数えきれないだけにオリジナルが欲くなってしまう方も多いのではないでしょうか。

*サンプリング:既存の服のデザインを引用して、再構築すること。(分かり易く言うと似たデザインの服を作るという意味です)

Lee

Levi’sの印象が強すぎるあまりにこちらのブランドに関してはあまり知らないという方も多いかと思います。

当ブランドは創業当時は日用品や雑貨のメーカーであったという面白い過去があるのはご存じでしょうか。

食品業界から服飾業界にくるという面白いバックボーンを持つ当ブランドもLevi’sと肩を並べ、多くのデニムマニアから愛されているブランドです。

生地

当ブランドの生地は前述したLevi’sの右綾織りとは違い左綾織りを採用しています。

左綾織りは、生地の表面に織りによる凹凸が少なくソフトで光沢感のある生地感になっているのが最大の特徴です。

また、色の落ち方も右綾織りとは違い通称"縦落ち"と呼ばれる色の落ち方をします。

また、アタリが出やすいという特徴があるため色落ちの変化を楽しみたい方には当ブランドのデニムがおすすめです。

また、オーガニックコットン100%の天然素材を使用しており、13オンスの厚めの生地感はストンと落ちる綺麗なシルエットは柔らかな生地感も相俟って他ブランドとは違う仕上がりになっています。

ディテール

バックポケットのステッチですが、こちらは通称"レイジーエス"と呼ばれています。

近年物に関しては例外になってしまいますが、元々はバックポケットの内側下半分に当て布をしており、ポケットが破れないように補強を施す為にこのデザインが誕生しました。

また、ポケット上部の両端の縫い方は"スレッドリベット"と言い、ウエスタン等が馬に乗る際鞍を傷つけないようにと開発されましたが、こちらも当ブランドの特徴と言えるデザインの一つです。

おすすめアイテム

ペインターパンツ

商品番号:evb003269 ¥24,970

ストレートで身幅のあるバギーシルエットが特徴的なペインターパンツに柔らかな着用感が特徴の当ブランドのデニム生地は相性抜群です。

こちらのパンツは、鮮やかなブルーの縦落ちをしており、正に左綾織りのデニムらしい色落ちが楽しめます。

古着らしいヴィンテージの雰囲気を漂わせる一着です。

オーバーオール

商品番号:eaa478559  ¥15,290

デニムと言えばジーンズですが、オーバーオールも外せません。

当ブランドのオーバーオールは丸みを帯びたポケットの形が特徴的で、中でもこちらのヒッコリーストライプという柄は清涼感とワークウェアらしい漢くささが絶妙なバランスの一着です。

Wrangler

1904年に創業したワークウェアブランドであるハドソン・オーバーオール・カンパニーが、1943年に元々Wranglerというブランドを所有していた会社を買収したことにより今現在の私たちが知る当ブランドは始動しました。

1963年にはヨーロッパで14オンスのデニム生地を使用し、【これまでに作られた中で最も重いデニム】を肩書きで売り出した事で世界的に注目されるようになります。

1996年にはLevi’s社を抑えて、米国で一番のシェア率(4人に1人Wranglerのデニムを履いていた)となりました。

また、世界で初めてデニム制作時にデザイナーを起用した事や元々がウエスタン向けに作られていた事もあり、ワークウェアがバックボーンにある前述の2ブランドとは全く違う仕上がりなのが特徴的です。

生地

*左:Levi’s 右:Wrangler

元々はLee等も扱っていた縮まないデニム生地である、サンフォライズド加工を施した綾織りの生地を使用していましたが、1971年から当ブランドは一定の幅で右綾織りと左綾織りで交互に織った生地"ブロークンデニム"を採用し今現在の定番商品の使用へと定着していきました。

その名の通り従来のデニムよりも丈夫なデニム生地であり、デニムのよじれ防止を生産段階で実現したデニムです。

肝心な色落ちに関しては、いわゆる点落ちや縦落ちという落ち方はせずにフラットな色落ちをします、ただし普通にハチノスや、ヒゲなんかは出てくるのであまり野暮ったくデニムを履きたくないなという方にはおすすめのブランドかと思います。

ディテール

ポケット上部のリベットは鞍等の座面に傷をつけない様に平たくデザインされた"フラットリベット"を使用しています。

また、他ブランドはベルトループが5本なのに対し激しい動きの多いカウボーイ達のニーズに応えるためベルトループの数は7本ありフィット感に優れるのも嬉しいポイントです。

バックポケットのステッチとレザーパッチは創業当時からほとんどデザインが変わっておらずブランドの顔として今も尚数多くマニアから愛され続けています。

おすすめアイテム

ストレートデニム

商品番号:eaa421257  ¥14,960

ラグジュアリーデニムとも称される当ブランドのデニムはヘビーオンスが故の綺麗なシルエットが特徴的です。

こちらのデニムはスラックス等のフォーマルウェアに良く見るセンタープレスが施されており高級感を更に助長させています。

ワーク由来のアメカジ感の強いデザインとはまた別の雰囲気を楽しみたい方にはおすすめのパンツです。

フレアパンツ

商品番号:evb005998  ¥20,900

ウエスタンを代表するアイテムと言えばまず挙げられるのがこちらのブーツカットのフレアパンツではないでしょうか。

特徴的なフラットな色落ちを楽しみながら長くきれいに履いてみたり、他ブランドのようにアジのあるアメリカンなスタイルにしてみたり、濃紺のアイテムだと色落ちのさせ方を考えながら履くのも面白いかと思います。

ブランド別の楽しみ方

同じように見えるデニムでも、色の落ち方やどの層に向けて造っているかで全然違う仕上がりになっています。

特に今回紹介させていただいた3ブランドに関しては、ヴィンテージから近年物までかなりの種類を有しているほか、前所有者の履き方によって全然違う仕上がりになっている物が多いので、古着屋に立ち寄った際は是非デニムを手に取って見てみて下さい。

まだデニムを持っていない方も、持っているけど探しているという方も参考にしていただけると幸いです。

こちらではLevi’sのデニムをモデル毎に履き比べているので、Levi’sについてもっと知りたい方は是非こちらも読んでみて下さい。

春といえばデニム!Levi’sデニム履き比べ!

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