揺れる、膨らむ、広がる。ほんのわずかな動きでクルッと表情を変える。彩り、華やぎ、まるで歌っているような。すっと袖を通した途端、私の顔色も、声色も、気分も変えてしまうような特別な存在。私たちの一生には“ワンピースと出逢う”という宝物のようなひとときが訪れる。その瞬間はきっと、恋に落ちたかのように、ドキドキと心が弾むでしょう。女の子たちの“永遠のあこがれ”ワンピーススタイルをご紹介します。
絵画のようなタッチで描かれたチューリップのワンピース。魅力はその大胆な色づかいや柄だけでなく肩にかけて大きく広がった襟。純白に光り、顔色も明るく映し出してくれる強い味方。チューリップのパープルに合わせてベレーとコルセット風ベルトをポイントに。
ハイウエストでマークされたベルト部分からスタートするギャザーは大きく膨らみ裾がまるでパラソルのよう。チュールのついたハットをかぶれば、メリーポピンズのように空へ飛び立つ想像まで膨らむ。ブラウン×グリーン系の色合いが効いたペイズリーの総柄がよりエレガントでオリエンタルな雰囲気を放つ。
小花柄のロングフレアワンピースは実はキャミソール。襟や袖部分にフリルが施されたホワイトのブラウスを重ねるとたちまち1枚のドレスのように。インナーによって表情が変わるところは、美味しいものを食べてご機嫌になれる女の子と同じ。ときめきをくれるお気に入りのインナーを重ねて自分だけのコーディネートを生み出して。
厚手で強く固いデニムのワンピース、胸元には彩り豊かな花々の刺繍が咲き誇る。大地に強く根を張り、美しく咲く姿を思い描く。それはきっとすべての女性達の真の姿と重なるだろう。キャップはファーを、ベルト、バッグ、サボはレザーを用い、民族的な装いでまたひとつ新しい自分の姿に出逢う。
フリルは大きければ大きいほど、気分を高揚させてくれる。胸に近ければ近いほど、躍動も高まる。ピンク×パープルのドットや小花柄の総柄に加え、胸元に大胆なフリルをあしらえた強者。1枚で十二分な存在感を得たので、残りの決め手はアクセサリー。本物に近い大ぶりなピアスを身につければ心躍るスタイルの完成。
惑わし、惑わされるも恋のうち。滑らかな曲線と幾十にも重なる色、植物や木の実や微生物を描いたペルシャ芸術の象徴とも言われるこのペイズリーを纏えば、もう惑わし、惑わされる身。重力に従ってAラインに広がる裾は風にまたたき心地良い。同系色のハットとヒールを合わせ、バランスを取れば迷宮から脱出。
美しく、可憐に、可愛くいることだけが女の楽しみではない。時には強い野望や執念を抱くことも生きる糧となる。パイル織りの一種であるコーデュロイは畝状のラインが入り、保温性も優れ、なんだか冒険心を掻き立てられるような気がする。フリル×チェックのシャツとミュール、キラキラと光る石を集めたピアスを合わせて女性らしく挑もう。
女の欲張りな部分を触発させる存在、ノースリーブ。夏だけでなく、春も秋も着たいという欲深い気持ちが重ね着を覚えた。ブルーの小花柄ノースリーブワンピースのインナーには黒レースのシースルーブラウスをチョイス。首元にはたっぷりと重なった襟、ウエストはラメが輝くバックルつきベルトで引き締めて完成。あっけなく誘惑に負ける、それも女の喜び。