北海道は2月こそ冬本番な気がしていますが、初売りも終わり冬服から春服へ移行を始めている方も多いのではないでしょうか。最近は少しずつテックっぽい雰囲気から、きれいめなアイテムを取り入れるコーディネートが増えてきましたね。これからの春先にも使えて、今からでも楽しめるスラックスを使って、2024年トレンド先取りでちょっとだけ綺麗めコーデをマスターしていきましょう。スラックスの意外と知らない知識もご紹介していきます。ブログの後半ではスタッフが選ぶ古着スラックスコーディネートも掲載しております。
目次
スラックスとは
スラックスとはジャケットなどに合わせられるフォーマルなズボン全般のことを言います。言葉の語源は「ゆるい、ゆるんだ」という意味の「slack（スラック）」。はじめはタックのある筒（足をいれる部分）が広いズボンのことを指していましたが、今では意味が拡大してセットアップのズボン全体をスラックスと呼んでいます。
一方、スーツのズボンは基本的にはセットアップでの販売でとなっております。ですので、スーツのズボンは正確にはスラックスではなく「スーツパンツ」と呼ばれています。
スラックスの素材には、高級感があるウール、少しカジュアルなコットン、機能性が高いポリエステルなどが使われています。
以前はビジネスシーンで着用されることが多かったのですが、最近では普段着としてカジュアルの中にスラックスを取り入れて、カジュアル×きれいのコーディネートを作る方が多くなりましたね。簡単に今っぽさを作れるので、お気に入りを手にしておくことをおすすめします。
スラックスとチノパンの違い
次にスラックスとチノパンの違いについて簡単に説明します。スラックスはカジュアルからフォーマルな装いまで、ジャケットと合わせて幅広く使用できるパンツです。
チノパンは元々軍服用に開発されていたこともあり、かなり丈夫な作りになっています。チノパンの「チノ」は、「チノ・クロス」と呼ばれる綿の綾織物という素材によって作られているところから由来があります。
それに対して、スラックスは軽くさらりとした作りになっています。また、チノパンはフォーマルな服装にはなかなか使用することができないものの、スラックスはカジュアルからセミフォーマルまで幅広く使うことができます。
下記、過去のチノパンの知識を掲載しているJAMのブログも添付しておりますので、気になった方は是非見てみてください。似ていると思っていたものの違いをより掘り下げて知識に変えるのもファッションの楽しみ方の一つです。
スラックスのディテール
次にスラックスのディテール（細部）について見ていきましょう。ここをきちんと把握しておくことによって、より自分好みのスラックスに出会えるのではないでしょうか。
ライズ
ライズとはパンツの股上のことを指します。「ズボンのチャックがあるあたり」と言えばわかりやすいでしょう。股上の浅いものを「ローライズ」と言い、股上の深いものを「ハイライズ」と呼びます。
以前流行したものは「ハイライズ」が多かったですね。要するに股上が深ければ深いほどクラシックな着こなしになります。逆に最近では「ローライズ」が主流であり、細めのきれいなスラックスを腰穿きや溜めて穿く方も随分と増えましたね。
タック
腰の前後左右にあるヒダのことを指してます。プリーツとも呼びます。腰まわりの可動域に関係するパーツであり、大きく分けて「ノータック」「ワンタック」「ツータック」があります。
「ワンタック」「ツータック」は、それぞれのタックの数を表しており、数が増えれば増えるほどクラシカル（古典的な）な雰囲気を作ることができます。
フライ
いわゆる前立ての部分を指します。大きく分けてジッパー式とボタン留めの2種類ですが、現在のビジネス用パンツのほとんどはジッパー式になっています。
基本的には比翼仕立てになっており、表からはボタンやジッパーが見えないようになっています。
比翼仕立てとはボタンが隠れる様に二重にした前立てのことです。
16世紀ごろには既にこの形になっていたという記録もあり、長いことパンツの基本的な形になっているということになりますね。
わたり
わたりは、ざっくり言うと「パンツの大腿（だいたい）の付け根のサイズ」（太もも）になります。大きく分けて「わたり幅」と「わたりまわり」の2種類があり、「わたり幅」はパンツを平置きした際の横幅を、「わたりまわり」は大腿の周囲の長さをそれぞれ指します。
最近では「わたり幅」や「わたりまわり」にややゆとりのあるものが流行していましたが、少しずつ細身のきれいなスラックを選ばれる方も増えてきました。
ウエストバンド
パンツのウエスト部分にあしらわれた帯の部分を指します。ゴムひもになっていてベルトが無くても穿けるタイプや、ベルトをしっかりと通すタイプ、さらには小銭入れがついているものまであります。
サイドポケット
スラックスの両サイドに付いているポケットを指します。そのなかでも特に角度が斜めになっているものを「フォワードセットポケット」「スラントポケット」と言います。そしてスラックスの縫い目に沿って垂直にできているものを「バーティカルポケット」と言います。
スラックスは他のパンツよりも薄手であり、ポケットに何かモノを入れると全体のシルエットが崩れてしまいます。ポケットに入れるものをなるべく最小限にすると、スマートな着こなしに魅せることができます。
ベルトループ
ループ（輪）の名のとおり、ウエスト部分につけられた、ベルトを通すための輪のことを指します。クラシックなパンツは「サスペンダーで釣って穿く」タイプのものなので、ベルトループが付いていないものもあります。
現代のパンツの中でも特にスラックスは、ジャケットと合わせて着こなすことが想定されているため、ほとんどのものにベルトループが付いています。通常であれば輪は6つあり、ベルトのピンを通す「ピンループ」も付いています。
クリース
パンツ中央に入っている折り目のことを指します。厳密に言うと「センタークリース」。新しいものであればあるほど、このクリースがはっきりと現れており、長期間使用するにつれて薄くなっていきます。クリースを残して穿きたい方は定期的なメンテナンスをすることによって維持できるので、アイロンがけを忘れないようにしましょう。
ヒップポケット
尻部分のポケットを指し、「ピスポケット」と呼ばれることもあります。ピスポケットの「ピス」とはいわゆるピストルのことで、ピストルをここにしまっていたことの名残りと言われています。
裾
スラックスの先端部分であり、主にシングルとダブルの2つのタイプがあります。シングルは裾に折り返しがないスタイルであり、こちらがよりフォーマルなものとして扱われています。当然しっかりとした仕立てが必要になります。
もうひとつはダブルであり、裾を折り返す仕立てになっています。シングルに比べればカジュアル寄りであり、ビジネスウエアに多いスタイルです。
仕立て前のスラックスでは、どちらかを選んで穿くこともできるのですがＪＡＭにはどちらも沢山あります。ダブルで仕立てられた方も沢山居たようで、自分好みの一着を見つける楽しさが広がりますね。あえて、ビジネスウェアに多いとされているダブルをカジュアルに着こなすのも外し方としてはかなり可愛いのではないでしょうか。
12月の某雑誌で芸能人の菅田将暉さんが古着の魅力は新しい服はその時に作られた数分の選択肢しか無いけど、古着は過去の服全てが選択肢になる…とおっしゃっていました。
まさに、数ある中から探す楽しさをここでも体現できそうですね。
古着屋スタッフが選ぶスラックスを使ったメンズコーディネート
ワントーンに揃えてアウターで反対色を取り入れる大人きれいめコーディネート
OUTER ¥9900(+TAX)
SIZE XL
JACKET ¥4950(+TAX)
SIZE 48
PANTS ¥2970(+TAX)
SIZE W34 L32
BOOTS ¥13970(+TAX)
SIZE 27cm
ネイビーのユーロワークジャケットに、ネイビーのスラックスでワントーンに仕上げました。アウターをタイトに着用したかったのでバランスをとってスラックスのサイズを少しあげてボトムスでゆるさを作りました。まさに「スラック」ですね。スエードのアウターと足元のブーツできれいめ要素を固めました。反対色を合わせるコーディネートも、落ち着いた色味を使用することで誰にでも真似しやすいおしゃれなコーディネートに仕上がります。
フェミニン×スラックスで今っぽさを作るコーディネート
VEST ¥18920(+TAX)
SIZE L
TOPS ¥7920(+TAX)
SIZE L
PANTS ¥2970(+TAX)
SIZE W34 L32
SHOES ¥13970(+TAX)
SIZE 27cm
続いてはこちらのコーディネートを紹介します。
フェミニン要素が最近はメンズでも取り入れられることが多いので、薄いピンクで可愛い要素を作り、ベストできれいめに仕上げています。先ほどのコーディネートとシルエットは近いですね。トップスをタイトに、ボトムスはゆるくすることでバランスをとっています。北海道はまだまだ寒いので今回はバブアーのオイルドベストを着用しましたが、暖かくなってきたらスウェットも無くしてフィッシングベストで合わせてあげるのが可愛いと思います。
古着セットアップ×カーハートのアクティブジャケットでバランスを楽しむコーディネート
OUTER ¥22000(+TAX)
SIZE XL
TOPS ¥4950(+TAX)
SIZE M
TIE 3960(+TAX)
PANTS ¥2970(+TAX)
SIZE W32 L32
SHOES ¥10890(+TAX)
SIZE 27cm
最後に紹介するコーディネートはその名の通り、古着のセットアップにカーハートのアクティブジャケットを合わせるコーディネートです。アクティブジャケットの色はお好きな色でセットアップの色を合わせてあげても良いですね。セットアップには柄があっても可愛いと思います。難しそうに見えるコーディネートですが、フォーマルなシーンでのみ使用されるイメージの多いセットアップですが、カジュアルに魅せることができるのはかなり嬉しいポイントです。
まとめ
スラックスはスタイルを演出する最高のアイテムですが、ディテールをしっかりと把握しておくことによって、選ぶのも楽しくなりますし、より自分に合ったものを見つけることができます。
古着スラックスでビジネスシーンで決めるも良し、カジュアルに着こなすのも良し、スラックス最大のメリットはこの「コーディネートの多様性」にあると言えますね。
自分に合ったブランドやディティールを探し、自分だけの一本を見つけるのも、立派なスラックスの楽しみ方と言えるでしょう。
【お知らせ】
札幌店では、毎週「月、火、水、木」が
入荷日となっております。
今回紹介したスラックスなどの商品も
続々と入荷してきてます。
紹介した商品以外にも良い商品が沢山ありますので是非店頭でお待ちしております。
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