古着屋JAM堀江オレンジストリート店の小濱です!今回は秋から春先まで使えるコートについての記事となっています。
コートと一括りに言っても、種類によって個性が違います。そんな中でも、本記事では定番の形と種類のコートをいくつか紹介したいと思います。最後にはコートの3大ブランドについてもご紹介いたします。
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目次
コート種類別紹介
トレンチコート
Burberryトレンチコート¥44,990(tax in)/RAB428464
まずはいくつかコートの種類をご紹介をさせていただきます。トレンチコートは、第1次世界大戦時にイギリスの陸軍が塹壕(トレンチ)戦で着用していた防水型のコートが起源とされています。戦後は戦闘服からオーセンティックなファッションアイテとして普及していき、映画などでも名俳優たちがこぞって着用し、現代にいたるまで愛され続けています。
トレンチコートの1番の特徴といえばその生地です。クラシックなトレンチコートには、バーバリーの創業者であるトーマス・バーバリー氏が、1879年に発明したギャバジンという生地が使用されています。ギャバジンは、ウーステッドを織り上げる前に防水加工を施し、高密度に織り上げることで撥水性と耐久性を向上させた優れものです。
続いてディティールの解説に移ります。
エポレット
エポレットは、肩の部分に備えられたベルト状のディテールです。もともとは階級を示すバッジを付けていたが、後に銃や双眼鏡、水筒のストラップが滑り落ちるのを防ぐために使われました。倒れた兵士を救出する際、引きずるための持ち手としても活用されていたといわれています。
ガンフラップ
右前合わせなら左、左前合わせなら右にのみ施されているのがガンフラップです。名前の通り、かつては銃(ライフル)を発砲した時の肩への衝撃を抑えるためのものでした。襟のボタンを全て閉めた状態の時には雨垂れの侵入も防ぐ役割も担っていました。
ラグランスリーブ
初期モデルではインセットスリーブであったという説もありますが、現代まで続く完成形と言われているトレンチコートはラグランスリーブが採用されています。これは、クリミア戦争で活躍したラグラン将軍が右手を負傷した際、簡易な着脱を目的に採用した仕様が起源といわれています。
肩の位置が決まっていない為、オーバーサイズでの着用もできます。
ストームシールド(アンブレラヨーク)
肩から背中にかけて二重構造になっている布部分のことです。雨が当たる背中上部ヨークが若干斜めになっており下の部分は縫い付けられていません。その効果で、背中から雨が流れ落ちやすくなっています。
ステンカラー・コート
Burberryステンカラーコート¥30,690(tax in)/RAB548408
ルーツは1850年代前後の雨避けとして着用されていたケープで、他のコートと比べると装飾が少なく見た目がシンプルな設計になってます。そのためオン・オフ問わずどんなシーンにも着られるアウターとして人気を博しています。
ちなみに「ステンカラー」という言葉は和製英語であり、スタンド・アンド・フォール・カラーが訛って生まれた説が有力で、他にもフランス語のsoutien(支える)から来ている説がありあります。正式名称は「バルマカーンコート」です。
後ろ襟が高く、前襟が低い設計になっているステンカラーコートは、着用すると襟がたっているような見た目になり、これによって顔周りに立体感が生まれるため、マフラーやストールなしでも小顔効果が発揮されます。Aラインの存在感のあるシルエットと相まって、等身バランスの良いスタイリッシュなコーディネートを実現しやすいコートとしても知られています。
続いてディティールの解説に移ります。
ステンカラー
ステンカラーという襟型の最大の特徴は、襟腰(衿の折り返しから下の、首に沿って立っている立ち代の部分)の後ろが高く、前が低い状態で折り返るデザインです。
第一ボタンを留めてきると控えめな印象でノーブルに着こなせます。
ラグランスリーブ
こちらもトレンチコートと同様に、ラグランスリーブが採用されてます。
比翼仕立て(フライフロント)
前立てボタンを全て閉じると、第一ボタン以外のボタンは露出しない仕様の比翼仕立てになっています。
ボタンが隠れることで、ミニマルで品のある印象になるのが特徴です。
ちなみにこちらのディテールについてもクラシックなバルマカーンコートの特徴ですが、ボタンが露出する通常の仕立てのコートも含めてバルマカーンコートと呼ばれることが多いです。
比翼仕立ては風の侵入を防ぎ防寒にも役立ちます。
チェスターフィールド・コート
チェスターフィールドコート¥21,890(tax in)/RAB524948
代表的なフォーマルコートで、イギリスのチェスターフィールド伯爵が好んで着用していたのが名前の由来です。全体的に細身のシルエットが特徴となっており、素材はメルトン、カシミア、ベロアなど柔らかいものが使われています。
コート3大有名ブランド紹介
Burberry
イギリスを代表するファッションブランドとして知られている「Burberry/バーバリー」。バーバリーはイギリスで設立された高級ファッションブランドで、トーマス・バーバリーによって創業されました。伝統と革新を兼ね備えたデザインで知られており、特に上部でも紹介した、トレンチコートとチェック柄のマフラーなどがブランドを象徴するアイテムとして知られています。
トレンチコートは、軍服として生まれたものですが、そのデザインや機能性が高く評価されて、世界中の人々に愛されるファッションアイテムになりました。バーバリーのトレンチコートは、今もなお、イギリスの高級ファッションブランドの象徴として、多くの人々に着用されています。
ちなみに、トレンチコートの始まりと同時期に現在でも受け継がれているバーバリーの代表的なエンブレム「馬上の騎士」がデザインされました。馬上の騎士には様々な意味が込められており、「騎士=名誉」「槍=改革」「盾=保護」を意味します。「Prorsum」と書かれた旗はラテン語で「前進」と訳され、これらを合わせると馬上の騎士のデザインは保護とブランドの前向きな精神を表しているようです。
今でも馴染みのあるデザインなのでブランドの変わらない思いが伝わってきますね。
Aquascutum
「Aquascutum/アクアスキュータム」の歴史は仕立て職人のジョン・エマリーが、ロンドン西部の高級住宅地に紳士服店を創業した1851年に遡ります。創業時から、優れた職人技術と技術革新により業界の最前線をゆくブランドでした。
長い年月をかけてウール地に防水加工を施す研究を繰り返しており、ついに1853年にその画期的な生地を誕生させます。奇跡的ともいえる撥水性を持ち、常にしなやかなその生地には、ラテン語で「水」を表す「aqua(アクア)」と、「盾」を表す「scutum(スキュータム)」を組み合わせた、「防水」という意味を持つ造語・Aquascutum(アクアスキュータム)と名が付けられたのです。
当時の上流階級の紳士たちの雨の日の装いは、雨除けのケープを何枚も重ねたオーバーコートを着用するのが一般的で、雨をはじく革新的な生地に瞬く間に注文が殺到し、アクアスキュータムの歴史はこうして始まりました。
バーバリーとの明確な違いとして、最上級モデルに限り無双仕立て、つまり身頃の肩先と袖には裏地ではなく表地を二枚重ねにすることで、防水性をより確かなものにしています。
MACKINTOSH
ゴム引きのレインコートで有名な「マッキントッシュ」の始まりは、1823年に遡ります。 イギリスでマッキントッシュクロスという防水布を発明したのが、「Charles Rennie Mackintosh(チャールズ・マッキントッシュ)」と発明家の「Thomas Hancock(トーマス・ハンコック)」。
彼ら2人は、2枚のコットン生地の間にゴムの溶液を塗って熱を加えて接着した防水布を発明し、その技術で特許を取得しました。1830年に「チャールズ・マッキントッシュ」社を設立し、世界で初となるマッキントッシュクロスを使ったコートを発表しました。これがマッキントッシュの創業となります。
当初は生地の硬さやゴム臭さ、接着面の剝がれなどの問題もありましたが、品質改良や研究を重ねて進化を続ける一方、創業当初と変わらない職人による手作業を続けています。
まとめ
今回は、コートの定番の種類とおすすめのブランド紹介でした。
コートは、カジュアルからフォーマルと広いシーンで活躍してくれるアイテムとなっています。
当店では、メンズ・レディース両方のコートを大量に取り揃えています。
ぜひ、自分だけの1着を見つけに当店までお越しください。
前回のブログでは、古着のネクタイやジャケットを使ったおすすめスタイリングをご紹介してます。こちらも良ければご覧ください。