こんにちは。JAM広島店の小林です。
あっという間に11月になり一気に寒くなってきました。
朝晩の冷え込みが少しずつ冬の気配を感じ、アウターを主役にしたスタイリングが楽しくなる季節ですね。
さて、今回はテーラードジャケットで注目したいディテールや素材について解説していきます。
形や素材によって見え方はかなり変わってきます。自分にあったテーラードジャケットを購入したことがないという方もいるかと思いますので、分かりやすく解説できればと思います。
目次
テーラードジャケットのディテールをチェック
そもそもテーラードジャケットの「テーラード」とは、「男仕立て」、「注文仕立て」といった意味があります。つまりテーラードジャケットとは、「仕立てられたジャケット」のことです。多くの場合は、パンツとセットになっていないジャケットのことを指します。
基本的にカジュアルスタイルで着用するアイテムですが、最近では、スポーツアイテムと合わせてみたり、グランジといったハードなアイテムに合わせてみたりと、コーデの外しとして人気の高いアイテムとなっています。

襟の形状と種類
襟にもいくつか種類がありますが、ノッチドラペルは最も多く採用されている襟の形状ということもあり、普通襟と呼ばれるほど一般的になっています。
スーツジャケットの襟部分は、主に上記4つの部位で構成されていて形状や組合せによって呼び方が異なります。
・カラー(上襟)・・・首周りの折り返し部分
・ラペル(下襟)・・・カラーと繋がり前身頃で折り返している部分
・ゴージライン・・・・カラーとラペルの縫い目
・ノッチ・・・・・・・カラーとラペルの境目にある切れ込み
ノッチドラペル

そもそも「ノッチ」という言葉はもともと”V字型の切れ込み”を意味します。カラーとラペルの縫い付け方によって角度が多少変わりますが、現在ビジネススーツとして販売されている既製品のほとんどがノッチドラペルと言っても過言ではないほど一般的なデザインとなっています。
見分け方として、ゴージライン(カラーとラペルの縫い目部分)をそのまま伸ばした一直線上にラペルの角があれば、そのスーツの襟はノッチドラペルに分類されます。
ピークドラペル

ノッチドラペルと並び、ピークドラペルと呼ばれる襟もポピュラーな形状といえます。
非日常的なシーン、例えば結婚式やパーティーなど華やかな場所で着用するジャケットでよくみられる襟の形状です。ラペル(下襟)の頂点がまるで剣のように突き出ている形状が印象的なピークドラペルは、力強さや華やかさを演出してくれます。
裏地(ライティング)

裏地の大切な役割は、「内側から汚れや傷みから表生地を守ること」です。着用する際摩擦から表地は吸湿性と放湿性に優れた素材で出来ています。そのため表生地への蒸れを軽減し繊維への負担を少なくします。
他にも裏地は着脱をしやすいように滑りのよい生地素材が使われています。
ベントの種類
ジャケットの背中の裾にスリットが入っていますが、これを「ベント」と呼びます。
種類は代表的なものから、「センターベント」、「サイドベンツ」、「ノーベント」があります。
このスリットは元々、上着を着用する時に動きやすくするためにつくられたデザインです。
センターベント

「センターベント」はテーラー用語で「馬乗り」と言います。
これは昔、乗馬服の背中心の真下から切り分けることで、背中に見苦しいシワをつけず、かつ乗りやすくしたことからはじまっています。このディテールはイタリア調のスーツに多く用いられます。
サイドベント

「サイドベンツ」は背中両脇の裾を割ったもので、これに限ってはスリットが2つ入っているので、「ベンツ」と複数形で呼びます。主に英国調のブリティッシュスーツに用いられ、日本のテーラー用語では「剣吊り」と呼ばれることがあります。
センターベントよりも背中のゆとり幅は多くなるので、ウエストのシェイプをより効かせたものであればあるほど、サイドベンツは美しくハマります。
ノーベント

「ノーベント」とは背中にスリットの入っていない最もドレッシーなデザインです。タキシードなど、運動量をそれほど必要としない服に用いられます。ノーベントは後ろ姿がとてもセクシーで、最も男らしく見えるデザインと呼ばれています。
テーラードジャケットのツイードとは?

ツイードは、発祥地・産地によっていくつか種類があり、その中でもハリスツイード、ドネガルツイード、シェットランドツイードは「世界の3大ツイード」と呼ばれています。産地によって、ネップや生地の風合いなどが異なりますが、今回はツイード全般が持つ特徴をご紹介します。
ネップ:糸の繊維が絡んでできる不規則なかたまりのこと。
ハリスツイード

ハリスツイード生地はウール素材からできています。
他のウール生地と違うのは、素材の風合いや味わいを直に楽しめるという点です。耐久性のあるツイードにすることで表面が粗めになりますが、起毛はしていないため織り目がよく見えます。ツヤは出ませんが、代わりに空気をたくさん含んでおり、軽くて暖かいのが特徴です。
他のウール生地は使うほどにへたれて元気がなくなりますが、ハリスツイードは高級感のある風合いで、使い続けることでどんどん馴染んで味わい深くなっていきます。
ドニゴールツイード

「ドニゴールツイード」の名前の由来は、アイルランド北西部のドニゴール地方という地名。ドニゴールツイードは、ドネガルツイードと呼ばれることもあります。
特徴は、緯糸にカラーネップを使用すること。このような糸を使って生地を織ることで、生地全体にカラフルな斑点が入ったカジュアルな生地ができあがるのです。そして、できあがった生地はゴワゴワした、寒い季節にピッタリの素材となります。
カラーネップ:色が入っている飾り糸のことで赤や青、そして黄色などの色が斑点状に入ってる。
シェットランドツイード

シェットランドツイードはスコットランド北部に位置するシェットランドという島に生息する羊の毛を使って作られるツイードです。
このウールは、繊維が細く柔らかい風合いが特徴で、他のツイードと比べると軽量で保温性にも優れています。このシェットランド・ウールを使用したツイードは、ふんわりとした肌触りで、硬めの仕上がりとなるドネガルツイードなどとは全く異なる風合いをしています。
今週の入荷
80s L.L.Bean Hunting Jacket

80年代L.L.Beanのハンティングジャケット。
メリットといえば収納力が高く、耐久性や保温性に優れ、クラシックでおしゃれなデザインであることです。
羽織るだけで雰囲気の出るジャケットで、パーカーやスウェットなどと相性抜群です。
L.L.Bean Hunting Jacket EAA512470 ¥19,470(tax in)
おすすめのハンティングジャケットはこちらからご覧いただけます
Cotton Knit

今年も柄ニットが沢山入荷しております。
柄によって個性があり、一枚で主役級の存在感を放つアイテムです。
きれいめスタイルや、トラッドスタイルにもかなりの系統で合わせることができ、色んなスタイリングに最適な柄ニット。秋冬かなり役に立つトップスになるので是非お気に入りの一枚を見つけてみてください。
あとがき
前回のマガジンでは、フライトジャケットについて解説しております。種類別にスタイリングを紹介しているので、是非そちらもご覧ください。
今回はテーラードジャケットで注目したいディテールや素材について解説しました。テーラードジャケットは縫製にこだわっており、素材も様々で奥深さのあるアイテムです。
時代と共にその着こなしのスタイルも変容してきていますが、今の時代の私達のおしゃれに欠かせない貴重なアイテムになっていることは、間違いないようです。
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