【徹底解説】米空軍の傑作「N-3B」とは?古着屋店員によるコーデ紹介も!

1953年に採用されてから1990年代前半頃までアメリカ空軍で継続仕様されていた「N-3B」フライトジャケット、現在では街着としても絶大な人気を誇っています。

今回はそんなN-3Bフライトジャケットについて歴史や特徴を徹底解説、N-2Bフライトジャケットとの違いも比較します!

古着屋店員によるコーデ紹介もありますので是非最後までお付き合いください。

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N3Bとは? 歴史と特徴

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N-3Bの商品一覧

歴史

N-3BはL-2やB-15Bと同じように第二次世界大戦の終戦と前後して登場した一連のナイロンフライトジャケットの一つです。

「航空機搭乗員用 フード付属ヘビー・ウエザー・ジャケット」と呼ばれていて、主に爆撃機や輸送機などの搭乗員(エアクルー)が着用しました。

B-7やB-9といったモデルの系譜を受け継いでいるN-3Bですが、今回はそれまでの羊皮からナイロンへと大きく変わった初期モデル、N-3からご紹介します。

1945年 N-3

1945年にナイロンフライトジャケットのN-3が採用されました。

N-3は戦闘機や輸送機の搭乗員が着用する寒冷地用のジャケットです。

使用温度域は「ヘビーゾーン」と分類される-10℃から-30℃を想定しています。

第二次世界大戦中に採用されていたコットン製のB-9とB-11から継承されたモデルで、このN-3からナイロン製となっています。

ちなみにフライトジャケットはそれぞれ着用される温度帯が想定されています。

・Very Light Zone(ベリーライトゾーン)

30℃~50℃を想定しています。

・Light Zone(ライトゾーン)

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10℃~30℃の気温域用に開発されています。

この温度域のフライトジャケットは「夏季用」とされていて、防寒性よりも機動性が重視されたモデルが多いです。

有名なモデルでいうとA-2やL-2シリーズがライトゾーンに分類され、レザーのA-2も実は夏季用のジャケットとされています。

・Inter Mediate Zone(インターミディエイトゾーン)

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-10℃~10℃を想定しています。

ライトゾーンとヘビーゾーンの中間領域であるため、防寒性と機動性を兼ね備えるバランスのとれたフライトジャケットで、この温度域のフライトジャケットには名作が多いといわれています。

インターミディエイトゾーンのジャケットではMA-1やG-1がよく挙げられます。

・Heavy Zone(ヘビーゾーン)

-30℃~-10℃を想定しています。

ヘビーゾーンの温度域ではパイロットたちにとって寒さが命に危険を及ぼす凶器となります。

とにかく寒さから身を守る防寒性を備えることを至上命令として開発されました。

そのため、先ほどご紹介した二つのゾーンにおけるフライトジャケットとは一線を画す独特なデザインをしています。

・Very Heavy Zone(ベリーヘビーゾーン)

-50℃~-30℃を想定しています。

気温や気圧によってこれらの5つに分類し、N-3はこの中のヘビーゾーンに分類されているということになります。

MA-1とA-2、G-1についてはこちらの記事でも詳しく解説しておりますので気になる方はぜひご覧ください!

MA-1を徹底解説!周りと差を付けられるMA-1コーデも一緒にご紹介!

ミリタリーアイテムの見分け方◆フライトジャケット ”A-2”と”G-1” の違い

1950年代初頭 N-3A

1950年代初頭にはN-3の後継としてN-3Aが登場します。

ディテールなどのデザインに大きな変更はなかったようですが、空軍の独立によりエアフォースブルーを採用しています。

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N-2Aなどと同時期に部隊支給が開始され、朝鮮戦争の後半には実戦部隊で使用されていたようです。

ちなみにN-2AもN-3Aと同じくエアフォースブルーが採用されています。

1950年代後半 N-3B

その後、「エアフォースブルーが目立ち過ぎる」という理由でカラーリングをセージグリーンへ変更したN-3Bが登場します。

外観はN-3Aとほぼ同じですが、N-3Bでは袖口部分の延長による2重構造やフロント防風フラップの短縮などが行われています。

こういったマイナーチェンジの繰り返しによってN-3Bはミルスペック「MIL-J-6279A」を起点にJタイプまで存在しています。

ミルスペックとは米国における軍用品の調達規格の総称で、とりわけ米国国防総省が規定する装備品の耐久性能に関する規格の通称です。

また、Hタイプ以降のモデルはその区分をフライトジャケットから極寒冷地用パーカーに変更、地上用ユニフォームとなっています。

特徴

-10℃〜-30℃という極寒地、ヘビーゾーンでの着用を目的として開発されているため、防寒性は全幅の信頼をおけるフライトジャケットです。

また、元々のサイズ感が大きいのは、通常のフライトジャケットの上からでも羽織れるようにするためで、その他にも保温性・防寒性を高めるディテールが盛りだくさんです。

フード

首や顔周りの防寒性を高めるために大きなフードが採用されています。

吹雪の中や悪天候でも視界が確保できるように考慮された設計となっていて、年代によって素材の違いはありますが周囲には毛足の長いファー、フードの裏地もボア張りになって保温性に優れた仕様になっています。

フードの表地は防風性・防寒性に優れていて、裏地のボアやファーで保温性を高める仕組みです。

 

 

N-3Bはその長い歴史の中で、少しずつ改良され続けています。

もっとも変化が大きかったのは「MIL-J-6279H」の前後です。
それまでのコヨーテファーから人工素材であるアクリルファーに変更されました。

ストームフラップ

 

フロントはジッパーとボタンで留める二重仕様となっています。

ジッパーの隙間から風が侵入するのを遮断すると同時にジッパーの凍結を防止する役割も果たしています。

また、手袋をしたままでも取り外しが出来るようにボタンは大きめに作られているそうです。

この仕様はB-7やB-9の頃から採用されていて、防寒性を高めるために重要な役割を担っています。

二重構造の袖口・ポケット

 

 

袖口を長めに出し、ニットリブを内側に隠すことで袖口から冷気が入り込むのを防ぐインナーカフ仕様となっています。

ポケットもフロントのボタンと同じように、手袋をしたままでも出し入れがしやすく大きめに作られています。

内側のドローコード

腰回りが広がりすぎるのを抑えるのと同時に裾から入り込む冷気や風を遮断するため、内側にドローコードを内蔵しています。

防寒性の面でも嬉しいディテールですし、街着として着る際にもシルエットに変化を出せるのでありがたい機能です。

表地・中綿

1950年代から1970年代までは表地にナイロン素材が使われていました。1970年代以降は耐久性と耐火性にすぐれたコットンナイロン素材に変わります。

フードのファーがコヨーテからアクリルに変更されたのと同じ時期です。

中綿も1974年まではコットンウールが使われていましたが、それ以降は軽くて暖かいポリエステルに変更しています。

いずれにせよ、表地は防風性に優れており、中綿でしっかり保温するという特徴です。

N-2Bとの違い

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N-2Bの商品一覧

今回はN-2A (N-2Bの前身モデル) とN-3Bで比較していきます。

N-3BとN-2Bの一番の違いは「着丈」になります。

丈の長いN-3Bは保温性と防寒性に特化しているのに対し、N-2Bではそれらと同時に動きやすさを両立する為、短い丈が採用されています。

これらの違いが生まれた理由ですが、N-3Bはエアクルー、つまり搭乗員用であるのに対し、N-2Bはフライトジャケットとして狭いコクピット内での着用を最優先としているからです。

この設計思想の違いは丈以外にも現れています。

 

例えばN-2Bでは中央部に備えられたジッパーによりフードを二分割する事が可能となっています。

これはコックピットで座った時に周辺機器に引っかからない様にと考案されていて、同時に人体への重量感を軽減することにも成功しています。

結果的に実際の現場でもN-2Bは爆撃機や偵察機などの航空機内で使用され、N-3Bは飛行中にドアを開放する輸送機や救難ヘリコプターなど、直接外気に晒される環境で使用されました。

ストームフラップはN-3Bと共通しています。

袖口はN-3Bのインナーカフ仕様とは違い通常のリブのみになっていますね。

N-2Bについてはこちらのマガジンでも詳しく解説しております。気になる方はぜひご覧ください。

一味違う?ミリタリージャケットN-2Bについて徹底解説。

N3Bを使ったコーデ紹介

今回はこれまでにご紹介したN-3Bを使った古着屋店員によるコーデを2つご紹介します!

N3B グランジコア コーデ

N-3Bを使ったグランジコアスタイルです。

フェード感の強いデニム、ミリタリーアイテムとN-3Bのファーや腰巻き、足元の明るい色味でY2K要素も追加しています。

全体的に使っている色や要素は多いですが、N-3Bのカーキ色が占めている面積が大きいため、まとまりのある仕上がりとなっています。

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N-3Bの商品一覧

N-3B ユーティリティミックス コーデ

N-3Bを使ったユーティリティミックスコーデです。

使っているアイテムはシャツ、無地スウェット、ロングスカートで足元に革靴とかっちりフォーマルな印象です。

ただ、アウターにN-3Bを選ぶことでミリタリーの無骨な印象とフォーマルさのバランスをとることができます。

差し色でオレンジも効いていますね。

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N-3Bの商品一覧

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回はフライトジャケット、N-3Bについて詳しく解説してきました。

防寒性・保温性に優れて真冬でも暖かく過ごせると同時にファッションとしても十分楽しめる最強のアウターかと思います。

古着屋JAMではN-3Bをはじめ、ミリタリージャケットを種類豊富に取り揃えております。

ぜひお近くの店舗にお立ち寄りください。スタッフ一同お待ちしております。

最後までご覧いただきありがとうございます。

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〒 604-8082
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