“シンプルイズベスト” そんな言葉が似合う「ステンカラーコート」はお持ちですか?
シンプルなゆえに、取り上げられることが少ない印象ですが、これ以上持っていて頼れるコートは他にはありません。
今回は、そんな縁の下の力持ちとも言える、「ステンカラーコート」にフォーカスいたします。
シンプルだからこそ、逆に迷いやすい着こなし方や、同じロングコートの、チェスターコートやトレンチコートとの違いなどをご紹介。
是非、最後までご覧ください。
目次
ステンカラーコートとは?
「ステンカラーコート」とは、ボタンが隠れる比翼仕立ての前立てに、ゆったりとしたラグランスリーブ、そして「ステンカラー」(襟)を採用したコートです。
「ステンカラー」は、“支える” という意味のフランス語の“soutein”から由来した、和製英語という説があります。
「ステンカラー」の特徴は、後ろ襟部分が高く、前に向かって低く折り返せるようになったデザインです。
襟を開いても閉じても着用することができ、マフラーやストールを巻かずとも、小顔効果が期待できることもポイント。
装飾が少なめなので、シンプルなものが多く、オンオフ問わず着れるコートとして、長年定番アイテムとして愛されているアイテムです。
オンオフも着れることから、メンズ・レディース共に1着持っておけば間違いないコートです。
ダサくないステンカラーコートの選び方とは?
しかしながら、オンオフ兼用できる点や、他のロングコートに比べてディティールが少ないことから、(ステンカラーコートってダサい?)と感じている方も少なくないと思います。
実は、シンプルさが特徴の「ステンカラーコート」は、シルエットや素材使いで、印象に大きな差を出せます。
ここからは、ダサくならない「ステンカラーコート」の選び方をご紹介しますので、購入の際のポイントとして押さえておいてください。
色に迷ったらベージュがおすすめ
シンプルな「ステンカラーコート」は、オンオフ兼用で使えることが強みの一つ。
ベージュ色の「ステンカラーコート」を選べば、適度なキチンと感を残しつつ、カジュアルなスタイルにもマッチします。
ややオーバーサイズのものを選んでトレンド感をプラス
「ステンカラーコート」をジャストサイズで選んでしまうと、良くも悪くもカッチリしすぎた印象になってしまします。
1~2サイズ大きめの、ややオーバーサイズのものを選べば、トレンド感とこなれ感を演出できます。
柄物にも挑戦
シンプルな「ステンカラーコート」は、インナーに変化をつけないと、どうしても同じコーデに見えてしまいがちです。
そんな方は、柄物の「ステンカラーコート」を選んでみるのも一つの手段です。
あえて特徴のある柄物を選んでも、コーデに合わせやすい「ステンカラーコート」なら、そこまでハードルは高く感じず着こなせます。
「ステンカラーコート」と「チェスターコート」の違い
「ステンカラーコート」に興味がでてきたところで、同じようなロングコートである、チェスターコートと比較することがあると思います。
しかしながら、「ステンカラーコート」との違いが分かりにくいという方も少なくありません。
ここからは、「ステンカラーコート」とチェスターコートとの違いを見ていきましょう。
「チェスターコート」とは?
チェスターコートとは、膝丈から膝下まで丈のある、ロングコートのことを指します。
チェスターフィールドコートとも呼ばれていて、19世紀にチェスターフィールド伯爵が着用したことから、そう呼ばれるようになったとされています。
襟もとがテーラードジャケットのようなV字型になっていて、ラペル(下襟)があることから、キレイめのフォーマルな印象のコートです。
ビジネスシーンにもカジュアルな服装にも合うため、人気の定番コートの一つとなっております。
「ステンカラーコート」と「チェスターコート」のシルエットの違い
【写真上】「ステンカラーコート」着用
【写真下】「チェスターコート」着用
実際に「ステンカラーコート」とチェスターコートのシルエットを比較してみました。
「ステンカラーコート」は、比較的ゆったりめに作られていることが多く、Aラインを意識したつくりとなっています。
チェスターコートと比べてみても、Aラインを描いていることが、お分かりいただけると思います。
加えて、元来肩から袖が一体となっている、ラグラン袖を採用したステンカラコートは、綺麗な肩のラインが出ていると言えます。
「ステンカラーコート」と「トレンチーコート」との違い
チェスターコートと同じく、「ステンカラーコート」と比較されるアイテムの一つであるトレンチコート。
ここからは、「ステンカラーコート」とトレンチコートとの違いを解説いたします。
トレンチコートとは?
「トレンチコート」とは、第一次世界大戦中、イギリス軍が開発した防水型のミリタリーコートの一種です。
“トレンチ” は塹壕を意味していて、塹壕とは陸上戦で銃撃から逃れるための溝の事を指します。
エポレットやガンフラップなどの、特徴的なディティールが多く、その機能美の高さから、1つのコートの完成形とも言われています。
「ステンカラーコート」と「トレンチコート」のシルエットの違い
【写真上】「ステンカラーコート」着用
【写真下】「トレンチコート」着用
チェスターコート同様に、「ステンカラーコート」とトレンチコートのシルエットを比較してみました。
着丈の違いもありますが、「ステンカラーコート」がAラインに近いシルエットに対して、トレンチコートは、よりIラインに近い印象です。
縦にストンと落ちるシルエットですので、どこかスマートでシックな印象です。
ベルトが付属する場合は、ウエストでギュッと絞ってシルエットに変化をつけるのも良いですね。
また、「ステンカラーコート」に比べて装飾が多めなので、シルエットはもちろん、シーンや他に合わせるアイテムを考えて、両者を比べてみてはいかがでしょうか。
【メンズ】ステンカラーコートのおすすめコーデ5選
「ステンカラーコート」の選び方や、比較対象となりやすい他のロングコートとの違いについてお分かりいただけたと思います。
ここからは、実際の「ステンカラーコート」のメンズコーデをご紹介し、コーデのポイントを解説いたします。
スタッフの身長やサイズ感も記載しておりますので、ご購入の際の参考にしてみてください。
ベージュステンカラーコート+デニムジャケットのメンズコーデ
「ステンカラーコート」が活躍する春秋の端境期には、デニムジャケットとのレイヤードコーデがおすすめ。
襟の形が似ているので、スッキリとした奥行きのある重ね着が可能です。
寒暖差が激しくても、温度調整がしやすいので、ぜひトライしてみてください。
ベージュステンカラーコート+パーカーのメンズコーデ
装飾が少なく、シンプルな「ステンカラーコート」は首周りもスッキリした印象。
パーカーを重ね着することによって、シンプルな首周りも華やかになります。
ノーカラーのベースボールTシャツと重ね着して、スポーティーさや遊び心をプラスしたミックスコーデです。
ベージュステンカラーコート+ベストのメンズコーデ
「ステンカラーコート」やベストといったフォーマルなアイテムに、ハンチングなどの小物を合わせてワーク感をプラス。
黒とベージュの色味に統一することで、男らしさもありつつ、どこか知的な雰囲気も感じるニュアンスを出すことができます。
ベージュステンカラーコート+ハーフジップスウェットのメンズコーデ
モデル身長:171cm
着用サイズ: メンズM相当
シンプルな「ステンカラーコート」は、ハーフジップのスウェットなど、襟もとのデザインが効いたアイテムとの相性も〇
キャップを被ることによって、「ステンカラーコート」コーデに適度なカジュアルさをプラスできることもポイントです。
ネイビーステンカラーコート+スウェットのメンズコーデ
モデル身長:171cm
着用サイズ: メンズM相当
知的な印象を与えることができる、ネイビーの「ステンカラーコート」は、オンオフ使える汎用性の高さが魅力です。
ベーシックなネイビーやベージュに、ターコイズブルーのスウェットを合わせてアクセントをつけています。
春の訪れを感じる、爽やかな配色は、ぜひ参考にしてみてください。
迷ったらこれ!ステンカラーコートのおすすめブランド4選
「ステンカラーコート」の選び方や、コーデのポイントをお分かりいただけたと思います。
最後は実際に「ステンカラーコート」を選ぶだけ。
これさえ押さえれば大丈夫というブランドを4選ピックアップいたしました。
①バーバリー
トレンチコートの代名詞ともいえる、バーバリー。
1856年の創業以来、イギリスを代表するファッションブランドです。
高機能のギャバジンを使用した「ステンカラーコート」は、是非袖を通していただきたい一級品です。
②アクアスキュータム
バーバリー同様に、トレンチコートの代名詞ともいえるアクアスキュータム。
1851年の創業以来、英国王室にも愛用され、王室御用達ブランドの称号を得た歴史を感じてみてはいかがでしょうか。
③ロンドンフォグ
1923年にアメリカで創業した老舗ファッションブランド、ロンドンフォグ。1970年代にはアメリカを代表するコートブランドに成長し、今もなお多くのファンに愛され続けています。
④ラルフローレン
1967年、ネクタイの販売業からスタートした『RALPH LAUREN(ラルフローレン)』は、イギリスの伝統的なファッションをアメリカ流にアレンジした、アメリカントラッドやアイビーファッションを代表するブランドです。
メンズ・レディース問わず持っておきたいステンカラーコート
様々なトレンドが乱立する現代の中で、普遍的な魅力で、メンズ・レディース問わず愛され続けている「ステンカラーコート」。
主張はせずに、着る人の魅力を引き立たせる「ステンカラーコート」は、むしろ現代にマッチしているかもしれません。
1着持っておけば、オンオフで着用できるので是非お気に入りの1着を見つけてみてはいかがでしょうか。