みなさんこんにちは、古着屋JAM京都三条店の坂井です。
いよいよ11月も終盤で早くも年の瀬を感じています。
前回のブログでは周年祭でも大量入荷していたBarbour (バブアー) のINTERNATIONAL (インターナショナル) について解説しています。
気になる方はぜひこちらもご覧ください!
今回は冬らしさを感じるノルディックセーターについてご紹介します。
古着屋スタッフによるコーデ紹介もありますのでぜひ最後までお付き合いください。
目次
ノルディックセーターとは?
ノルディックセーターはノルウェーやスウェーデンといった北欧に古くから伝わる模様を編み込んだセーターの総称です。
「ノルディック」は日本語で北欧を意味します。
トナカイ、雪の結晶などのモチーフや幾何学模様、点描を用いた柄が特徴的です。
点描とはドットをちりばめたような模様のことで、ノルディックセーターに編み込まれることが多いです。
とくに「ルース・コスタ」と呼ばれています。
北欧はイメージされる通りの寒冷地のため、ノルディックセーターも厚手につくられています。
現在ではセーターに限らず、靴下や帽子、手袋といったアイテムにもノルディック柄が使われることも多いです。
【歴史】ノルディックセーターの誕生から現在
ノルディックセーターの起源は北欧、スカンジナビア半島ですがその時期は定かではないようです。
もともとは漁師たちが防寒のために着用していたということもあり、油抜きされていない毛糸を使って編んでいたようです。
寒さから身を守るために厚手のウールで編まれていました。
油抜きをしないことで生地の質感は固くなりますが、その分頑丈で水に強くなります。
当時はトナカイや雪といった人々の身近にある存在のモチーフを編み込んだり、北欧神話に登場するモチーフが採用されたりしていたようです。
こうしてみると自然や文化的な側面が強いアイテムですが、古着だけでなく様々なブランドからノルディックセーターは展開されていて、現在でも幅広く受け入れられています。
【素材】ノルディックセーターの生地について
先程も少し触れましたがノルディックセーターは厚手に編まれていることが多いです。
さらに保温性を高めるために二重に編まれています。
基本的にはウールで編まれていますが、比較的最近のアイテムになるとアクリルなどの化学繊維や、コットン、シルクで編まれている個体も存在します。
保温性という面でウールには劣りますが、手入れの簡単さや柔らかい着心地を実現しています。
ぜひ、素材にも注目してノルディックセーターを探してみてください!
【柄】ノルディックセーターの柄の意味とは
ノルディックセーターの柄はいくつも存在します、今回はその中から代表的なものをご紹介します。
雪の結晶
POLO by Ralph Lauren (ポロバイラルフローレン) ノルディックセーター EAA503018 ¥7,590 (tax in)
北欧の気候を彷彿させる冬の象徴であり、北欧では豊穣や幸運を呼び込むとされています。
ハイネック ノルディックセーター EAA393034 ¥9,900 (tax in)
セーターの中に大きなアイコンとして入っていることもありますし、連続した柄として用いられることもあります。
トナカイ・ヘラジカ
Ralph Lauren ノルディックセーター EAA499490 ¥14,190 (tax in)
自然との調和、力強さを表しているそうです。
トナカイやヘラジカはスカンジナビア半島で古くから家畜として飼われていて、人々にとって身近で重要な存在だったようです。
幾何学模様
80’s WOOLRICH ノルディックセーター EAA424314 ¥9,900 (tax in)
コミュニティとの結びつきや家族の繁栄を象徴していることが多いようです。
単に幾何学模様ということはなく、それぞれの柄に意味が込められています。
生命の木
90’s Eddie bauer (エディーバウアー) ノルディックセーター EAA407578 ¥10,890 (tax in)
生命の木とも呼ばれるツリーオブライフが用いられることもあります。
生命の木は大木に長生きや一族の繁栄を願って描かれるようになったとされ、簡略化した柄も同じものを指すとされています。
星
夜空の神秘や運命への信頼を意味しています。
こちらも雪の結晶と同じく、大きなアイコンとして入っていることもありますし、連続した柄として用いられることもあります。
【比較】ノルディックセーターと他のセーターとの違い
フィッシャーマンセーター
アイルランドやスコットランドなどに住む漁師(Fisherman / フィッシャーマン)の仕事着を起源とするセーターの総称がフィッシャーマンセーターです。
縄状のケーブル編みが印象的で厚手のアイテムが多いです。
海で働く漁師のために編まれているため、保温性と防水性に優れています。
フィッシャーマン・アランニットカーディガン RAB548101 ¥7,590 (tax in)
類似のフィッシャーマンニットカーディガンはこちらからご覧いただけます
本来は防水性を高めるために油抜きをせず、未染色の糸で編まれていたようですが、最近ではデザインのみケーブル編みを採用して、生地はコットンやアクリルで編んでいる個体も多いです。
日本ではアイビーの流行にあわせて1960年代に広く流行しました。
アランセーター
アランセーターはフィッシャーマンセーターの一種です。
フィッシャーマンセーターの中でも特にアイルランド西方のアラン諸島で造られたのが起源となります。
フィッシャーマンアランニットセーター RAB547986 ¥7,590 (tax in)
アランセーターは縄柄やダイヤ柄、ハニーカム(蜂の巣状)などの柄を組み合わせるのが特徴的で、フィッシャーマンセーターの一種らしく防寒性・防水性に優れています。
アランセーターについてはこちらのブログで詳細に解説しております、気になる方はぜひこちらもご覧ください!
フェアアイルセーター
フェアアイル柄 コットン・アクリルニットセーター RAB414230 ¥6,490 (tax in)
ノルディックセーターとよく似た柄のセーターです。
フェアアイル柄とはイギリス、スコットランドのシェットランド諸島のフェア島が発祥とされていて、約400年以上の歴史をもつ伝統的な柄を指します。
北欧にルーツを持つノルディック柄とは意外にも異なる地域が発祥ですね。
このフェアアイルセーターもかつては漁師たちが着用していたフィッシャーマンセーターの一種です。
しかし、1922年に英国のウインザー公がゴルフウェアとして着用し、世界的に知名度が高まったようです。
カウチンセーター
カウチンセーター RAB510522 ¥11,990 (tax in)
カウチンセーターとは、カナダのバンクーバー島に住む先住民族、カウチン族に由来する手編みのセーターです。
原毛の油抜きをせず、未脱脂の羊毛にアメリカ杉の樹皮繊維を混紡した糸で編まれていて、防寒性・防水性にすぐれたことから、狩猟や漁業のときに着用していました。
カウチンセーターもフィッシャーマンセーターの一種ですね。
生成りの地色に素朴な模様で鷲やトナカイなど、自然をモチーフにしたデザインや幾何学模様が代表的です。
かっちりとした重いものが多く、プルオーバー型とファスナー付きカーディガン型があります。
ちなみに「カウチン」とはカウチン族の言葉で「日のあたる暖かい土地」の意味です。
こちらのブログでも詳しく解説しておりますので、気になる方は是非ご覧ください!
エクアドルセーター
エクアドルニット ウールセーター (柄) JAA000319 ¥30,690 (tax in)
エクアドルニットとはローゲージニット(太めの糸を使用してざっくりと編みこんでいるニット)に分類されます。
手編みで油抜きしていないウールで編まれており、温かみを感じる雰囲気が特徴的です。
太陽や花をモチーフにしているアイテムが多く、南国エクアドルらしいですね。
エクアドルニットについてはこちらのブログでもご紹介しておりますので気になる方はぜひご覧ください!
ノルディックセーター・アイテム紹介
数あるノルディックセーターからデザインや配色でピックアップした5点をご紹介します!
① アイボリー × ブラウン
ノルディック・チロルセーター RAB497960 ¥8,690 (tax in)
シンプルなデザインで使いやすいノルディックセーターです。
写真では黒っぽく見えていますが実際にはブラウンで、アイボリーの色味といい相性です。
デニムやチノパン、ボトムスはなんでも合わせられるかと。
② ブラウン × グリーン
ノルディック・チロルセーター RAB540968 ¥6,490 (tax in)
こちらはブラウンのベースに深緑が散りばめられている配色です。
コーデとしては同系色でまとめる組み方もできますし、深緑を拾ってもいいかと思います。
比較的最近のアイテムのため生地はウールではなくアクリルで編まれています。
やはり着ていて楽ですし、手入れの手軽さもありますね。
③ タートルネック
ノルディック・チロルセーター RAB547938 ¥10,890 (tax in)
続いては首元がクルーネックではなく長くとられているタートルネック仕様のノルディックセーターです。
首までしっかり覆ってくれるため何より暖かいですね。
配色も先ほどのノルディックセーターと似てはいますが比較すると鮮やかな色のトーンです。
④ Polo by Ralph Lauren ブラック × ブルー
ノルディック・チロルセーター RAB540974 ¥10,890 (tax in)
Polo by Ralph Lauren (ポロバイラルフローレン) のノルディックセーターです。
ラルフローレンのアイテムは基本的にビンテージへのリスペクトを感じられる個体が多いですが、こちらのノルディックセーターも例外ではありません。
黒がベースで使いやすいですし、何より生地がコットン80%、カシミア10%、アンゴラ10%と拘りがうかがえます。
⑤ カーディガン
ノルディック・チロルセーター RAB547943 ¥11,990 (tax in)
こちらは前開きのカーディガンタイプです。
オレンジが鮮やかで暗いコーデになりがちな冬にありがたいですね。
サイズも大きすぎずで女性の方にもおすすめです。
コーデのコツ
今回はコーデを組む際に抑えておくと簡単に考えられるようになるポイントを色・サイズ感・属性の3点に分けてご紹介します!
この3点以外にもいくつかポイントはありますし、この3点を無視してもコーデを組むことはできます。
あくまでもコーデを組む際に迷ったりするときの参考になればと思いご紹介させていただきます!
色
まずは「色」です。
基本的にコーデに使う色は3色までに抑えるのがベターです。
3色以上使ってカラフルにコーデを組むことももちろんできますが、その場合はバランスをとるのが至難の技になってきます。
色の合わせ方を考えるときは最初に無彩色と有彩色で考えると分かりやすいかと思います。
無彩色は白・グレー・黒です。有彩色はそれら以外の赤や青、黄色といった色です。
無彩色、特にグレーは相性の悪い色がないとされています。
そのため、普段あまり着ない色味や蛍光色などと一緒に使うと馴染みやすかったりします。
有彩色は色相環を思い浮かべながら組み合わせを考えると分かりやすいかと思います。
服のコーデに限らず、企業のロゴや道路標識などにも応用されている考え方ですが、相性が良いのは「同系色」と「補色」です。
同系色は色相環で隣り合っている色同士のこと、赤とオレンジ、黄色のような色たちですね。
補色は逆に色相環で正反対に位置している色同士のことです。
例えば青と黄色、赤と緑となります。
この同系色か補色になるようにコーデで使う色を考えると基本的に間違いありません。
例えば暖色、赤や黄色、茶色でコーデを組みつつ、補色の寒色、青や緑のキャップや靴で色を差すような感覚ですね。
サイズ感
続いてサイズ感です。
サイズ感は基本的に3つのシルエットに分類できます。
いわゆるAライン・Iライン・Yラインと呼ばれる3つです。
Aライン
Aラインとは正面から見たときにアルファベットの”A”に見えるようなシルエットを指します。
トップスのボリュームを控えめにし、ボトムスにボリュームを持たせるのが大きな特徴です。
トップスのボリュームを抑えるには、ジャストサイズのアイテムや、短丈のアイテムがおすすめです。また、青系の色や暗い色味の収縮色のアイテムをセレクトするのも、ボリュームを抑える効果が期待できます。
ボトムスは、ワイドパンツやフレアスカートなどを選べば容易にボリュームを持たせることができます。また、白やベージュ、パステルカラーなど膨張色のアイテムをチョイスするのもおすすめです。
パンツの丈をやや長めにすることで安定感のあるスタイルを作ることができます。
Iライン
Iラインはトップスとボトムス、どちらのアイテムもボリュームを抑えたスタイルです。
正面から見たときにアルファベットの”I”の字に見える細見のシルエットを指します。馴染みやすく、シンプルです。
トップスにはジャストサイズ、またはしっかりフィットするサイズのアイテムを選ぶのが基本です。また、短い丈でボリュームのない服を選ぶのがおすすめです。
ボトムスは細身のシルエット、細すぎず太すぎず、デニムで例えるならリーバイスの501や505が理想です。
まっすぐなラインを構築でき、落ち着いた雰囲気のコーデを作りやすいです。
Yライン
トップスにボリュームがあり、ボトムスは細身にまとめるのがYラインシルエットです。
アルファベットの”Y”のような形になっています。
着丈の長いトレンチコートやローデンコートのようなアウターを使うのがもっとも手軽にYラインシルエットを作ることにつながります。
ロング丈のアウター以外にも、上半身にビッグシルエットのアイテムを合わせることで、Yラインシルエットを作ることができます。
属性
最後にそのアイテムの属性です。
コーデを考える際にアイテムの属性を理解しているとかなり応用的なコーデの組み方ができます。
普段何気なく着ている服にはそれぞれに背景・文化があり、それは無意識のうちに僕たちも感じているはずです。
例えば、ざっくり「シャツ」というアイテムには「フォーマル」「ビジネス」のようなイメージがあると思います。
そこでシャツを使ったコーデを組む際には同じくフォーマルなイメージのスラックスや革靴を使う、もしくはあえて反対にカジュアルなイメージのデニムやチノパンツ、スニーカーを使う。
このような考え方ができます。
もっと細かく考えることもできます!
シャツの中でも70‘sのアイテムなら大きな尖った襟が特徴的で当時のヒッピー文化を色濃く感じられます。
そのため同じく70‘sのフレアパンツを合わせるでも良いですし、あえてY2Kの雰囲気に混ぜ込んでみたりもできると思います。
このようにそのアイテムの年代をを軸にコーデを考えるのも良いですね。
他にも国や地域で考えることもできるかと思います。
個人的におすすめなバランスは基本的に1つのスタイル、例えば「グランジ」や「テック」のなかに、そのスタイルとは異なるアイテムを混ぜ込むことです。
スタイルが異なるアイテムだとしても、これまでにご紹介してきた「色」と「サイズ感」を外していなければコーデに馴染むのでまとまった、少し抜け感のあるコーデを組むことができます。
ノルディックセーターを使ったコーデ紹介
これまでにご紹介した3つのポイントも踏まえながらノルディックセーターを使って3コーデご紹介いたします。
黒 × 赤 ノルディックセーター
ノルディック・チロルセーター RAB547925 ¥10,890 (tax in)
まずは黒色と赤色のノルディックセーターを使ったコーデです。
ボトムスはデニムパンツ、足元にはドクターマーチンのブーツを使っています。
使っている色は赤・黒・青の3色で、無彩色の黒を混ぜ込んでいることで全体的な落ち着きが増していますね。
ヨーロッパ由来のノルディックセーターに合わせて足元はドクターマーチン、アメリカのイメージが強いデニムパンツと細かいですが属性のバランスも取れています。
小物はキャップとサングラス、あえてノルディックセーターとはあまり関連しないアイテムを使うことでコーデに抜け感を持たせています。
茶 × 緑 ノルディックセーター
続いて先ほどもご紹介したタートルネックのノルディックセーターを使ったコーデです。
こちらも使っている色が茶色・緑・青の3色です。
同じく足元は緑色のドクターマーチン、デニムとの相性も抜群ですね。
最初のコーデと同じくですが、顔の近くにある色を足元で拾うとコーデに全体的なまとまりが出るのでおすすめです。
今回はノルディックセーターの緑色を拾ってくれています。
他にも例えばキャップとシューズで色を合わせたり、これからの季節だとマフラーと合わせても良いかと思います。
白 × 茶 ノルディックセーター
最後は先ほど紹介した白と茶色のノルディックセーターを使ったコーデです。
使っている色は茶色・白・ピンクの3色です。
白の中でもアイボリーに近い色味で同系色でまとまったコーデになっています。
このコーデではキャップと足元のスニーカーが黒色でまとまっています。
ノルディックセーターがヨーロッパ由来で古着らしい雰囲気の強いアイテム、ボトムスのチノパンツも同じく古着の雰囲気が強いですが、レイヤードで見せているピンクが良い差し色になっていますね。
おすすめ入荷紹介
patagonia down jacket
patagonia ダウンジャケット RAB530798 ¥17,490 (tax in)
patagonia (パタゴニア) からツートンのダウンジャケットです。
ネイビーとブラウンの組み合わせで使いやすいですし、表記サイズはXLながら大きすぎないサイズ感でありがたいです。
首元までしっかり覆ってくれていて防寒面、スタイリング面でも優れています!
patagonia fleece jacket
patagonia フリースジャケット RAB533123 ¥16,390 (tax in)
こちらも同じくパタゴニアからフリースジャケットです。
使いやすいグレーの色味にしっかり締まっている袖と裾のリブ、ラグランスリーブ仕様です。
どこかビンテージのトラックジャケットに近い形をしているような気もします。
Eddie Bauer cotton jumper
Eddie Bauer コットンアクリルニットセーター (無地) RAB515270 ¥8,690 (tax in)
最後に老舗アウトドアブランドEddie Bauer (エディー・バウアー) からコットンの無地ニットです。
無地ニットは全色揃えたいくらい集めているのですが、やはりエディー・バウアーのアイテムがおすすめです。
色味はエメラルドグリーン、インナーに仕込んだら存在感もありますし、抜け感も出しやすい色味です。
あとがき
いかがでしたでしょうか!
今回はノルディックセーターについてコーデの組み方についても触れながらご紹介してきました。
これからの季節にしっかり暖かくて頼りになる、季節感も出しやすいアイテムかと思います。
古着屋JAM京都三条店では種類豊富に取り揃えております。
スタッフ一同、みなさまのご来店お待ちしております。